買ってから後悔では遅い!土地探しの失敗を防ぐポイント


土地選びに失敗してしまうと、自分で理想とする外観や間取りの住宅を建てられない可能性があります。また、自宅を建てて住み始めてから後悔することもあるので、土地探しの失敗を防ぐポイントを知っておきましょう。

 

買って後悔する土地の特徴は抑えておくべき

斜面に土砂を埋め立てて造られた土地

本来、山のふもとにある高台は、硬い岩盤や砂礫(粒の径が2ミリ以下で10分の1ミリ以上の岩石のかけら)を含んでいることが多く、地盤が硬く引き締まっていて、地震で揺れにくい、含水量が少なく液状化のリスクが低い傾向にあります。

ただし、高度経済成長期に、都心に人口が集中したため近郊の山を切り崩して谷や丘といった斜面に土砂を盛って造られた住宅地の場合、地震や大雨によって地盤が滑ってしまったり、液状化が発生して流動化するリスクがある土地がなかにはあります。

各自治体で管理している大規模盛土造成地マップを確認したうえで、土地の購入を検討するべきです。

土地の境界線があいまいな土地

境界線がはっきりしていない場合、土地の正確な面積が分からず、建物を建てた後に隣地の所有者が境界線を主張してトラブルに発展することがあります。

土地に塀や垣根がある場合は、どちらが所有者かを確かめたうえで購入するべきです。境界線が確定しているかは、登記簿、確定測量図、現地の境界標で確認ができます。

洪水や土砂災害が発生するリスクがある土地

山地や丘陵地、大地といった古くに形成された土地であれば、地震が起きても地盤が硬いので安心ですが、土砂が重なってできた土地は、地盤が軟弱なので地震が起きたときに心配です。

また、土地の近くに傾斜地や裏山がある場合、雨が降ったときに土砂崩れが発生する可能性があります。土地の高さが周りの土地より低い場合、水害が起こるリスクがあります。

希望の土地が見つかったら、国土交通省ハザードマップポータルサイトで、地震、津波、液状化、土砂災害といった自然災害が少ない地域なのか確認するべきです。

水はけが良くない土地

水はけが良くない土地を選んでしまうと、床下が湿ってしまい、苔、カビが生えやすくなってしまいます。

放置してしまうと、木材が腐ってシロアリが発生するリスクがあります。害虫対策できずに時間が経ってしまうと建物が老築化してしまいます。

土地を選ぶときは、雨が降った後の晴れた日に足を運んで、土地に水が溜まっていないか、ぬかるんでいないか確認するべきです。

道路と2メートル以上接していない土地

住宅を建てるためには、道路幅が4メートル以上で、土地が2メートル以上道路に接していることが必要条件となります。

もし、道路幅が4メートルに満たない場合は、道路の中央から2メートル離れた位置が道路の境界線となるので、建物を道路から後退させる必要があります。最悪の場合、建物を建てられないケースがあります。路地裏の奥の土地を購入する場合は注意が必要です。

いびつな形状の土地

敷地が狭く家を建てる土地が限られる狭小地、三角形や扇形といった変形地、道路に面している細い通路を通って敷地に入る旗竿地、間取りや設計が工夫が求められる細長の土地のように、形状がいびつな土地は、たとえ希望する坪数の土地だったとしても、建物を建てられる土地の面積が確保できずに、購入後に考えていた間取りが実現できない可能性があります。

電気・ガス・水道といったライフラインが整備されていない土地

大手の住宅メーカーや不動産会社がライフラインを整備することが多いので、建売住居や周りに新居が立ち並んでいる地域であれば心配する必要はありません。

しかし、古い家が建っていた土地だと、ライフラインが整備されていなくて、電気・ガス・水道設備が使用できない可能性があります。

ライフラインが整備されていないので、安い土地も存在しますが、整備費用を考えたうえで、購入する必要があるので、土地の原価とライフライン整備費用をあわせて計算しましょう。

 

資金計画は土地探しの前におこなうべき

全体の予算を決めてから土地探しを始めることで、理想の土地が見つかったときに迷わず判断ができます。

土地探しを進めるなかで、建物や立地に対するこだわりが変わることもあります。その際は、予算の配分を再検討し、条件を柔軟に変更していきましょう。

土地探しと施工会社は同じタイミングでやるべき

土地探しと施工会社の選び方が家づくりの成功を左右します。施工会社を先に決めれば、土地探しの段階から設計担当者と一緒に理想の家が建てられる土地を見つけることができます。

施工会社に相談することで、理想の間取りがその土地で実現できるかどうかを事前に相談できて、土地を購入した後に希望通りの家が建てられないリスクが低くなります。

インターネットや不動産屋では案内できない「掘り出し物件」に出会える可能性もあります。

ハウスメーカーや工務店などの施工会社は、家の建築までを一貫して行うことができるため、土地探しから家の建築、アフターケアに至るまで、安心して任せることができます。

絶対に譲れない項目を明確にして合格ラインを決める

すべてが理想の完璧な土地を見つけることは限りなく不可能に近いです。

だからこそ、土地に求める絶対に譲れない項目を明確にして置くべきです。土地探しをするうえで理想の土地がほかの方と被らないことは考えにくいので、売りに出される土地情報をいかに早く知ることができるかが大切です。

建築費にいくらかかるか把握したうえで土地を探すべき

家を建てるとき、土地代と建築費用の割合を知っておくべきです。土地代と建築費の割合は、6対4もしくは7対3が理想とされています。

地域によって、土地価格が高くなり割合が変わることがあります。例えば、首都圏では土地価格が高くても土地代が全体の43%程度に抑えられ、一方で他の地域では23%程度になっています。 土地を探す前に、建築費がどれくらいかかるのか、探している土地の坪数や間取りをもとにシミュレーションしておくべきです。

用途地域で住宅を建てられる地域が決まっている

用途地域とは、土地の利用方法を規制して計画的な市街地を作るために設けられた区分で、用途地域によって建物の大きさや高さ、周辺環境が変わります。

たとえば、「二階建て程度の住居環境を保護する第一種低層住居専用地域」と「3,000平方メートルまでの店舗が建てられる第一種住居地域」では、敷地面積に対して建物を建てられる割合の建ぺい率や、敷地面積に対する建物の延べ面積の割合の容積率がちがいます。

低層住居専用地域であれば、今後大きな建物が建つ可能性はありません。しかし、中高層住居専用地域や、住居地域の場合、高くて面積が広い建物が建つ可能性があるので、日照りや景観が悪くなる、人の出入りが多くなることが考えられます。

用途地域を事前に調べることで、建てられる家の大きさや周辺環境が分かり、住んでからの暮らしをイメージしやすくなります。

敷地面積に対して建てられる住宅の広さ(建ぺい率)は決まっている

敷地面積に対して建てられる住宅の広さは、建ぺい率という数値で決まります。建ぺい率は、土地に建てることができる建物の面積の上限を示しており、これを超える建物は建てられません。なぜ制限があるのかというと、もし敷地いっぱいに建物が建つと、家同士が密集し、生活環境が悪化したり、火事が起きた場合に炎が広がりやすくなるためです。

例えば、敷地面積が100平方メートルの場合で建ぺい率が50%だと、建物は最大で50平方メートルまでの面積を持つことができます。しかし、建ぺい率が80%だと、80平方メートルまでの面積を持つ建物が建てられます。建ぺい率が高いほど建てられる家の面積は大きくなりますが、日当たりやゆとりの面で満足度が高くないこともあります。

逆に建ぺい率が低い場合、十分な広さの家を建てるためには広い土地が必要となり、その分土地代も高くなることがあるため、建ぺい率が適切な範囲であることが、コストと住みやすさのバランスが良いと言えます。土地を探す際は、建ぺい率を必ずチェックし、理想の家が建てられるかどうかを確認しておきましょう。

防火地域と準防火地域なら建て物に耐火性が必要になる

防火地域と準防火地域では、火事が発生した際に火災の広がりを防ぐために、建物に耐火性が求められます。このため、これらの地域で家を建てる際は、耐火性能を持つ建築物が必要になります。このような地域では、耐火建築物を設置することで延焼の恐れが回避されると考えられ、建ぺい率を10%上乗せして建物を建てることができます。ただし、敷地内に複数の建物がある場合で、すべての建物が耐火建築物でないと緩和されません。

また、この規定は、住宅や店舗の建築やリフォームの際に確認が必要になる法律による制限の一例です。土地購入の際には、建ぺい率や容積率など法規上の制限をしっかりチェックし、希望の家が建設できるかどうかを確かめることが大切です。そうすることで、後になって問題が発生することを回避でき、安心して家づくりを進められます。

良い土地の条件(部屋の向き・間取りの自由度・坂・人目・アクセス・窓の設置場所)は人それぞれちがう

良い土地選びは、一人ひとりの価値観や生活スタイルによって異なります。例えば、部屋の向きは、陽当たりや風通しの良さなどから選ぶ人もいれば、風水的な考え方を重視する人もいます。また、間取りの自由度という点では、家族構成や趣味、ライフスタイルに合ったプランが希望されるでしょう。

土地の立地も重要です。坂のある土地や人目につかない場所を好む人もいれば、駅や病院、スーパーなどのアクセスが良い場所を優先する人もいます。窓の設置場所に関しては、光や風を取り込みたい人と、プライバシーやセキュリティを重視する人とで違いがあります。

土地選びには多くの要素が絡んでくるため、全ての条件に合った100点満点の土地はほとんど存在しません。しかし、個々の希望条件が明確であり、譲れない条件と優先順位を決めておくことで、満足度の高い土地探しができるでしょう。良い土地選びの鍵は、自分にとって重要な条件を見極めることです。

 

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