知れば怖くない平屋を建てる前に必ず考えるべきデメリット
段差が少なくて移動が楽、家族と会話がしやすいなどのメリットがあるため、平屋の建築を考えている方が増えています。
しかし、平屋の住宅はデメリットもあるので、実際に住んでみたら住みづらいと感じてしまい、家を建てる前に考えておいたほうが良かったと後悔する恐れがあります。
後悔せずに理想の平屋を建てるためにも、平屋のデメリットと対策を考えて家づくりを進めるべきです。
知っておくべき平屋のデメリット
日当たりが悪い
都市部では、大きい建物に囲まれてしまっていたり、近隣の建物との距離が近くなり、日光が届きにくくなることが平屋の日当たりが悪い原因です。
また、平屋は一階だけで生活空間が完結しているので、二階建てのように高い位置にある窓からの明るさを取り込むことができず、室内が暗くなりがちです。
室内が暗くなることで照明を利用する時間が増えて、電気代が高くなる可能性があります。
二階建ての住宅よりも風通しが悪くなりやすい
平屋は間取りの構造上、窓を設置できない部屋ができてしまい、風通しが悪くなり、匂いの原因や、ダニ・カビの発生に繋がってしまいます。
道路に面している住宅だと防犯の観点から窓を設置することがむずかしくて、結果として窓の数やサイズが小さくなり、風通しが悪化するという傾向があります。
空き巣のリスクがある
平屋の住宅は、死角となる窓や出入り口が多い、建物の構造上、足場が不要で全ての窓や出入り口にアクセスしやすい、開けた広い場所に建てられることが多く、周囲からの視線が入りやすく生活環境が把握しやすいといった理由で、空き巣に侵入されやすいです。
敷地の周りに植物を設置して視線を遮ろうとしても、1度侵入してしまえば逆に侵入者の隠す役割を担ってしまう可能性もあります。
収納の空間を確保するのに工夫が必要
二階建てよりも平屋の方が床面積が狭くなるので、収納をするクローゼットや押し入れの空間をつくることがむずかしくなります。
二階建てと同じ床面積で建てたいなら広い土地が必要
購入したすべての土地を利用して住宅を建てることはできません。土地すべての敷地面積に対して建物が建てられる面積の割合(建ぺい率)にあわせて、住宅を建てます。
50坪の敷地面積の場合で、建ぺい率50%なら25坪、建ぺい率80%なら40坪の土地面積で平屋を建てることができます。
2階建ては、階を増やすことで床面積を広げられますが、平屋は1階のみなので、想定していたよりも家が小さくなりやすい傾向があります。
固定資産税が高い
平屋と2階建てそれぞれで、すべての階の床面積を合計した延床面積がおなじ場合、平屋の方が土地および、屋根や外壁の面積が大きくなるので2階建てよりも固定資産税は高くなります。
プライベートが確保しにくい
平屋は部屋と部屋の距離が近くて、家族全員がワンフロアで生活するので、生活音が聞こえたり、臭いが届いたり、自分ひとりの時間を過ごすときにリラックスできない可能性があります。
屋根からの熱が暑い
平屋は、2階建てより屋根の面積が広いので太陽光を吸収しやすく、屋根との距離感が近くなるので、屋根からの熱が伝わり暑くなってしまう可能性があります。
平屋のデメリットを間取りで工夫して最小限に抑えるコツ
日照時間が長く風通しが良い土地でコの字型やロの字型の平屋を建てる
家の形をコの字型やロの字型にして中庭を設けることで、部屋が明るくなったり、風通しがよくなったりします。
さらに、平屋でも建物の南側に部屋、北側に廊下や水回りを配置することで、日光の入り方や風通しを向上させることができます。
熱対策で猛暑に強くする
金属素材が含まれている断熱材を使用することで、屋根や、外壁から入り込もうとする熱を防ぐことができます。
あわせて、屋根から基礎まで外側から覆って、外気の侵入や室内の空気の漏れ出しを防ぐことで、室内の温度を一定に保つことができます。
道路側に建物をくの字型に配し、プライバシーを確保
庭に大きな開口部を設けて道路側に建物を「く」の字型に建物を配置することで、住宅が密集している地域でも道路から視線を遮ることができます。
浸水被害のリスクが少ない地域を選ぶ
豪雨や河川の氾濫による浸水被害のリスクを避けるために、ハザードマップをチェックして、水害リスクの少ない地域を選ぶことが大切です。なるべく標高の高い場所に平屋を建てましょう。
太陽の方角や周辺の建物の位置を踏まえて間取りを決める
家の形をL字型やコの字型にすることで、平屋の部屋の日当たり問題を解決することができます。家の形を工夫することで、すべての部屋が外に面することになります。
周囲の建物の位置を踏まえて窓を設置すれば部屋の日当たり問題を改善することが可能です。
また、L字型やコの字型にすることで狭い敷地でも個性溢れるデザインにできたり、中庭も作ることもできます。
風通しが良い住宅選びをおこなう
住宅を設計するとき、窓の数や配置にする、部屋の上部と下部に窓を設置する、風が通りやすい北側に窓を設けることで、家全体に自然な空気の流れを作ることができ、部屋が涼しく感じられ、心地よい住まいを実現できます。
住宅設計の段階から、風通しを良くする方法を考えたり、ハウスメーカーや建築家との相談をおこないましょう。
防犯ガラスで侵入を防ぐ
平屋の防犯対策として、二枚のガラスの中間に特別な膜が入っている防犯ガラスや窓に追加で設置する補助鍵が効果的です。
防犯ガラスを設置することで、窓を壊して侵入するのに時間がかかったり、大きな音が出ることから、泥棒が侵入を諦めてくれることも期待できます。
実際に、空き巣を試みた泥棒の92%が10分以内に諦めるなど、高水準の防犯効果があります。
防犯ガラスで対策する場合、国土交通省、警察庁、経済産業省、建物の部品関連の民間団体によって高い防犯効果が認められている「 CPマーク」というシールが貼られた防犯ガラスかどうかも確認しましょう。
窓に追加で設置する補助錠を取り付けることで、普通の鍵付き窓より侵入に時間がかかるので、空き巣に入られにくくなります。
経路に防犯砂利を敷く
泥棒は音や注目を避ける傾向があるため、家の周りに踏むと大きな音が鳴る防犯砂利を敷くと、泥棒を寄せ付けにくくなります。
空間をうまく活用して収納場所をつくる
平屋は、1階建てなので天井までの高さに余裕があり、ロフトと小屋裏収納といった収納スペースを設けることができます。また、テーブルや床、ベットの下に収納する空間を作りましょう。
平屋のメリット
階段がなく動線がコンパクトにまとまりスムーズに動ける
玄関の位置や、水まわり(キッチン・洗面所・浴室・トイレ)や部屋の配置にもよりますが、階段がないため上下に移動する動線がなく、洗濯や掃除、片付けといった家事や生活動線がコンパクトでラクになります。
重い物を持って一日に何度も上下に移動することがないので、高齢になってからも不便を感じることが少ないです。
水回りの配管は、後から追加や変更に手間がかかるので将来、家を二世帯住宅や賃貸にすることを考えている場合、トイレは二ヶ所に設置することがおすすめです。
家族間のコミュニケーションがとりやすい
平屋は、廊下を短くして部屋と部屋の距離が短い間取り、リビング中心の間取りになることが多いので、自然と家族と顔をあわせるタイミングが増えるので、会話も多くなります。
料理や掃除、洗濯をしている時でも小さな子供や祖父母にも目が届くので、安心できます。
将来バリアフリー化する費用がかからない
階段を登り下りがなく、段差がなくフラットな部屋にすることで足が悪い方、高齢の方、小さな子どもでも安心です。
平屋で長期的に住むことを考えているなら、将来を見据えてバリアフリーにすることで、将来工事をする必要もありません。
木造・鉄骨造とも、地震や台風に強い構造で建てられる
平屋は、建物の高さが低いので構造的に安定していて、耐震性が高いです。台風の強風の影響を受けにくいので安心です。
万が一、地震や火災が起きてしまったときに、すぐ外に出ることができるので、安心です。
間取りや外観の自由度が高い
2階建ての場合、階段の位置や、水回りの設置場所を設計するときに制限があり、土地や建物の構造によって、間取りに制限がかかることがありますが、平屋は階段がなく、水回りの場所もまとめられるので、間取りの自由度が高いです。
天井も高いので、ロフトと小屋裏収納を設けることもできます。屋外にテラスやウッドデッキをつくることもできます。
ワンフロアなので光熱費を抑えられる
平屋は、ワンフロアで通気性がいいので、窓を開けることで温度調整ができます。エアコン等を使って、頻繁に温度調整をする必要もないので、光熱費が抑えられる傾向があります。
外壁や屋根のメンテナンス費用が安く済む
住宅は建てて終わりではなくて、経年劣化による外壁・屋根の塗り直しや、貼り直しが必要になりますが、作業をするうえで高さが必要になるので、足場を組む必要があります。
しかし、平屋は1階建てなので、足場を組む必要がありません。また、二階建てとくらべて外壁の面積が限られているので、メンテナンス費用が安くすみます。
将来のデットスペースがない
家族で平屋に住む場合、子どもが小さいとき、小中高大と子ども部屋が欲しくなるとき、子どもが独立したときなどによって、パーテーション等をつかって区切ることで間取りを変更することができるので、誰も利用しない部屋ができにくいです。
誰も利用しない部屋があると、風通しが悪くなったり、湿度が高くなり劣化してしまう可能性があります。
2階建てよりも多く太陽光パネルを載せられる
平屋は二階建てより屋根の面積が広くなるので、太陽光パネルを多く載せることができます。しかし、住宅が密集している地域で、高い建物に囲まれている地域だと太陽光が届きにくいので注意が必要です。
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