土地なしで注文住宅を建てる流れ・期間・費用相場・頭金の目安


注文住宅を土地を購入して建てる場合、建物の手続きだけではなくて土地購入の手続きも必要になるので手続きが複雑化します。

時間がかかる手続きもあるので、まず全体像を把握し、漏れがないように把握した上で計画的に手続きを進めることが大切です。

滞りなくスムーズに家づくりを進めるために手順や、期間・費用等についてご紹介します。

 

土地なしで注文住宅を建てる手順は10STEP

1.資金計画をたてる

注文住宅を購入するときには、自己資金、年収、住宅ローンの返済額、生活費や緊急時に必要な資金を照らし合わせて資金計画をたてます。

1.自己資金(貯金)の確認

まず、自分の貯金額を確認します。これは頭金として使われます。頭金は通常、住宅の価格の10%~20%を目安にします。

2.年収の確認

年収は、ローンの返済能力を評価するときに最もみられる指標と言われていて、年収の5倍から6倍までが住宅ローンの上限とされています。

3.住宅ローンの返済額の計算

住宅ローンの返済額は、借入金額、金利、ローン期間によって決まります。一般的には、月々の返済額が月収の25%~33%以内に収まるように計画すると良いとされています。

4.生活費と緊急時に必要な資金の確保

ローン返済だけでなく、日々の生活費や緊急時の資金、退職後の生活費について手元に残すことを考えておく必要があります。そのため、これらの費用を差し引いた上で、どれだけの金額を住宅購入にあてられるかを見積もります。

なお、国土交通省が2021年度におこなった「住宅市場動向調査報告書」によると、土地なしで注文住宅を建てる予算の全国平均の費用は約5112万円となります​​。

2.建てたい住宅のイメージの明確化

キッチンやバスルームの設備、子供部屋の広さなど、どのようなものが理想か具体的に考えてみてください。

具体的には、インターネットや住宅雑誌で理想の家を見つけたり、例えば、マイホーム相談会やモデルハウス見学に参加することで、イメージが広がります。 家づくりのイメージが具体的であればあるほど、打ち合わせをスムーズに進めることができます。

3.土地・建築会社探し

土地探しと建築会社は同じタイミングで探しましょう。

まず、土地情報を持っているハウスメーカーや工務店に家の建築と共に土地探しの相談をすることで、要望にあわせた住宅が建てられる土地を見つけることができます。

建築条件付きの場合は、指定された建築会社でしか建てられないことがありますので、希望の建築会社が利用できないことを考えておくべきです。

4.建築会社へ間取り・工法・費用・期間の見積もりを依頼

土地なしで注文住宅を建てるなら、工務店やハウスメーカーといった建築会社へ見積もりを依頼しましょう。

いくつかの会社を選び、自分たちが想像している間取りやデザインにあっている会社に絞って、見積もりを作成してもらいましょう。 ハウスメーカーや工務店にこだわりがなければ、1社だけでなく、複数の建築会社におなじ要望を伝えて、見積もりを比較することで、相場を把握して納得する会社選びができます。

それぞれの建築会社から見積もりをもらったら、工法や費用、工期、アフターサービスや保証制度を確認しましょう。

5.住宅ローンの事前審査

事前審査は、本審査の前に、借り手の信用や返済能力をチェックするための審査です。具体的には、建物の基本計画案や物件価格、借入希望金額や返済期間、担保となる物件の情報などが必要となります。

事前審査をおこなうことで、住宅ローンの借り入れが円滑に進みます。事前審査の結果次第で、本審査に進むことができます。審査に必要な書類は、会社によって違います。

6.土地の決定・売買契約締結

計画が進み、家を建てる土地が決まったら、土地の売主に「買い付け申込書」を提出して、購入する意思・意向を売主に伝えます。

まず、土地の重要事項説明書を読んで、契約内容に問題がないか確認し、内容に問題がなければ、売買契約を結び、手付金を支払います。手付金は通常土地の総額の5%から10%が目安です。 また、手付金だけでなく、仲介手数料や印紙代などの費用も用意しておく必要があります。

7.工事請負契約締結

建築会社と工事請負契約を締結します。契約書には、見積書や間取り図などの詳細が記載されています。契約後に見積りが大幅に変更されないよう、金額や間取りに誤りがないかを細かくチェックしましょう。

間取り図をみるときは、床暖房や収納スペースの有無まで確認しましょう。見積もりの金額には、諸費用の内訳に仲介手数料や登記費用が含まれているかどうか確認してください。

8.住宅ローン本審査

本審査は、仮審査(融資金額や利率、返済期間などの概要が審査される)が通過した後におこなわれ、正式な住宅ローンの申し込み審査となります。この審査では、土地の売買契約や建物の工事請負契約を結んだタイミングで、それらの書類のコピーを金融機関に提出して審査を受けることが求められます。金融機関は、申請者の信用情報や返済能力などを審査し、問題がなければローンが実行されます。

住宅ローンの本審査にかかる期間は通常約1週間ですが、年収の3倍までの借入金額で1週間、それ以上の借入金額や自営業で経営状況の確認が必要な場合は、1カ月ほどかかることもあります。 審査結果が承認されたら、金融機関と契約を結び、融資限度額や返済条件などを決定します。このときにも契約印紙代(10万円以上は4千円)や登記費用(土地関連で約3-5万円)などの諸費用が発生するため、事前に資金を用意しておくと安心です。

9.土地引き渡し・住宅の着工

金融機関に相談をして、ローンの借り入れ金額のなかから、すでに入金した手付金を差し引いた金額を売主に支払ってもらいます。 売主が入金を確認したら土地の引き渡しをして、所有権の移転をおこないます。土地引き渡しとおなじタイミングで住宅の着工がはじまります。

10.住宅の竣工・引き渡し

着工から引き渡しまで平均で4ヶ月ほどの工事期間がかかります。完成したら、市町村の検査にて建築基準法に適合しているかを確認し、問題がなければ検査済証が発行されます。

引き渡し前には、壁や床、天井のチェックをおこなって家の設備や内装に傷や破損がないかを確認します。傷や破損があれば修理の期限や費用の相談をおこなって修理してもらいます。

 

土地がない状態から注文住宅引き渡しまでの期間は12ヶ月~24ヶ月

土地を探してから注文住宅の引き渡しが終わるまでにかかる期間は12ヶ月~24ヶ月程度が目安とされています。

そのなかで土地探しには、2ヶ月~12ヶ月程度の期間がかかります。次に、情報収集や資金計画(例えば、ローンの計算方法や支払額の調整)があり、あわせて3ヶ月程度かかります。

土地が見つかった後は、家づくりに入ります。設計や契約には3ヶ月~4ヶ月程度、工事には4ヶ月~6ヶ月程度かかります。 さらに、入居前の手続き期間(例えば、光熱費の開設や住民票の移動)を考えると、1~2週間ほどの準備期間がさらにかかります。

土地探しの段階でハウスメーカーや工務店と連携していくと、家づくりがスムーズに進みます。また、行政手続きや住宅ローンの関連手続きなども進めなければならず、時間がかかるため、事前に情報を収集し、計画を立てましょう。

土地購入と注文住宅建築にかかる費用相場は約5,000万円

土地の値段は平均1,500万円~2,000万円程度

都市部では、土地価格が平均3,000万円程度で高くなりがちですが、地方では平均1,000万円程度で比較的安い土地も見つけられることがあります。全国平均では、土地価格が1,500万円~2,000万円程度かかるとされています。

事前に予算設定をおこない、理想的な土地の条件(立地や広さ、形状、向きなど)を明確にすることが大切です。

住宅建築・その他諸費用の合計は3,000万円~4,000万円程度

国土交通省が発表した平成30年度住宅市場動向調査によると、土地を持たずに住宅を新築する場合の費用の平均は、約3,971万円となっています。これには、建物の工事費や外構工事費、諸費用などが含まれています。 このように、土地がなくても注文住宅を建てるときの費用は、概ね3,000万円から4,000万円程度が相場となっています。

参照元:平成30年度住宅市場動向調査

頭金は総費用の約2~3割が目安

注文住宅を建てるときに、土地と建物の総費用の中で、最初に支払う頭金の目安は予算の20%~30%です。 例えば、総費用が5000万円の場合、頭金は1000万円から1500万円が目安となります。

頭金を多くすると、借りるローンの金額が少なくなり、返済負担が軽くなることから、金融機関の審査は通りやすくなります。

頭金が少なくすると、月々の返済額が大きくなり、その分、生活費に回せる額が減ります。ただし、教育費や医療費、老後資金のことを考えて頭金として使う額を決めることが必要です。

土地なしからでも1,000万円台での注文住宅購入は可能

あらかじめ間取りや外観・設備が決められているローコストの規格住宅を選ぶことや、地方にすることで土地価格を抑えることで、1,000万円以内の予算で土地がなくても注文住宅を購入できる事例もあります。

また、1000万円台まで予算を上げることで、間取りや敷地面積によっては、自分の希望通り家を建てられる注文住宅を建てることもできます。

まとめ

土地なしで注文住宅を建てるには、手順を事前に把握し計画を立てることでスムーズに進めやすくなります。

 

ただし土地探しには2ヶ月~12か月程度の期間がかかるため、土地探しの段階でハウスメーカーや工務店と連携していくことがおすすめです。

 

適切な予算設定を行うには、土地購入と注文住宅建築にかかる費用相場を把握することが大切です。具体的な予算の検討を短時間で行いたい方には、「ウチつく by Onnela」の「無料オンライン相談サービス」の利用がおすすめです。注文住宅アドバイザーがあなたの家づくりのこだわりや希望する建築エリアから総合的に判断し、現実的な予算検討をサポートし、プランを実現する住宅メーカーをご紹介します。

 

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