注文住宅が完成するまでの流れと入居までの期間


注文住宅は検討から完成まで約15ヶ月の期間がかかります。注文住宅を建てる流れは大まかに分けると、土地探しと施工会社選び、住宅ローンの申請、着工があります。

自分の理想する間取りや外観を決めるだけでは建てることはできず、それぞれのタイミングで施工会社(ハウスメーカーや工務店)と決めて進めていきます。

注文住宅を建てるときに、行き当たりばったりで物事を決めてしまうと思わぬ金額が発生したり、完成までの期間が伸びてしまうこともあり、満足のいく住宅が建てられなくなります。

人生において住宅は大きな買い物なので、今から注文住宅を建てたいと思っている人は入居までの具体的な流れの全てを知っておくべきです。

 

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注文住宅の検討を始めてから入居までにかかる期間

土地探しと施工会社探しにかかる期間【3〜12ヶ月程度】

土地探しと施工会社探しにかかる期間は人によって、異なりますが、3〜12ヶ月程度とされています。

土地探しは、インターネットの情報だけではなくて、不動産屋や不動産屋と提携しているハウスメーカーに足を運んで相談しましょう。候補の場所に足を運んで土地を確認することも大切です。

土地探しをするうえで大切なことは、面積や最寄駅へのアクセス、治安、日当たり、道路の交通事情、子育て環境といった優先順位を決めるということです。

理想の条件をすべて満たす土地を見つけることはむずかしいため、妥協点を見つけ、土地探しをいつまでおこなうかの期限を設定し希望条件に近い土地に決めましょう。

また、住みたい候補の場所を1つに絞らず、複数用意することで、条件に合った土地が見つかりやすくなります。

土地探しが終わったら、自分たちが求めている外観デザインや間取り、工法、設備と予算を照らしあわせて、理想と近い施工会社を選びましょう。

話し合いで、間取りや外壁、内壁についてのデザインが決まって、地盤調査が終わったら、仮契約を結びます。

ローン審査が通るまでの期間【3週間~4週間】

ローン審査が通るまでの期間は、3週間~4週間が目安です。

土地探しが終わったら、購入する予定の土地を取りあつかっている不動産会社もしくは、ハウスメーカーから、提携している金融機関を紹介されます。

借り入れ金利が低くなったり、審査が通りやすいといったメリットがありますが、自分自身で住宅ローンの会社を探して契約することもできます。

住宅ローンを利用する場合には、本審査前に審査に通る可能性を確認する仮審査と本審査に申し込むをします。

仮審査の期間【3日~1週間】

仮審査に通るまでの期間は、3日~1週間が目安です。

仮審査をすることで、「審査に通らなかったために建築ができなくなってしまった」という事態を防ぐことができます。

仮審査は、年収や、購入する住宅の金額に対する頭金の割合などを金融機関に書類やオンラインで申告します。金融機関によって申告する内容は異なります。

ただし、仮審査に通ったとしても、本審査で落ちることがないわけではありませんので、注意が必要です。

ただし、購入する住宅の金額に対して、頭金の割合が少ない場合や、自営業で経営状況を確認する必要がある場合は、1週間以上かかることもあります。

本審査の期間【1週間~3週間】

本審査に通るまでの期間は、1週間~3週間が目安です。

仮審査とおなじく申告する内容は異なりますが、現在もしくは、今後の支払い能力、担保となる物件の価値などを申告します。団体信用生命保険(団信)に加入する場合、健康状態も申告するケースがあります。

着工から完成までにかかる期間【約2〜6ヶ月程度】

注文住宅の着工から完成までの期間は、約2〜6ヶ月程度です。契約した会社(ハウスメーカー・工務店・設計事務所)、工法、面積の大きさによって期間は異なります。

契約した会社(ハウスメーカー・工務店・設計事務所)によって違う期間

建築資材を工場で加工して現場に持ち込み作業をするハウスメーカーは最低2ヶ月、大工さんが人力作業で建築する工務店は最低4ヶ月、設計書をゼロから作成する設計事務所なら最低5ヶ月程度かかります。

建築する工法によって違う期間

木造建築(W造)の場合、柱や梁がなく壁や床、天井といったを基礎として骨組みを築く枠組壁工法(ツーバイフォー工法・木質パネル工法)、柱や梁を基礎として骨組みを築いて、パネルを使って組み立てていく木造軸組パネル工法、柱や梁を基礎として骨組みを築く木造軸組工法なら最低2ヶ月、柱や梁を基礎として接合部を強力に接合したラーメン工法(SE工法)なら最低3ヶ月かかります。

骨組みに鉄を用いる鉄骨造(S造)建築の場合、最低2ヶ月かかります。

鉄筋でコンクリートを補強した骨組みを用いる鉄筋コンクリート造(RC造)建築の場合、最低4ヶ月かかります。

建築する住宅の面積によって違う期間

1階建ての木造住宅で、建物全体の階の床面積をあわせた延べ床面積が30~40坪なら最低3ヶ月かかります。

2階建ての木造住宅で、延べ床面積30坪なら最低4ヶ月、二世帯住宅や3階建ての木造住宅で、延べ床面積60坪なら最低5ヶ月かかります。

完成から入居までにかかる期間

完成してから入居までの期間は、1ヶ月程度です。まず、家が完成したら、建築会社と一緒に最終確認の立ち合いをおこない、最終確認検査をおこなって修繕が必要な箇所がある場合は再度修繕してもらい、すべて完了した場合は鍵の受け渡しがおこなわれます。

検査が終わって、住宅が引き渡しされるまでの期間は約10〜14日程度です。さらに引き渡しから入居までにも2週間程度かかります。

ブロックのフェンスや車を屋根で覆うカーポートの設置といった外構工事が必要な場合は、入居前または入居後におこないます。

引っ越しの期間中は、新居のカーテンや照明の設置をおこなったり、住所変更や各種手続きをおこないます。また、引越し業者との日程調整や準備も必要です。天候や建築会社、引越し業者のスケジュールによって若干の変動があることを把握し行動しましょう。

 

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注文住宅を建てる流れ

家を建てる資金計画をたてる

資金計画を立てるときは、「返せる金額」を重視して考えます。借りられるお金よりも、毎月の返済額を無理なく支払える範囲で住宅ローンを組むことで、ゆとりある暮らしを目指せます。現実的な資金計画を立てるために、オンライン相談サービスなどを活用するのもおすすめです。

頭金をいくらにするか

住宅を購入するとき、住宅の購入の支払いをローンだけで返済するのか、頭金とローンで返済するのかによって、借り入れする金額が変わります。

しかし、預金をすべて頭金にしてしまうと、住宅を購入するときに現金払いで必要な土地の売買契約や工事の請負契約前に申込金や手付金、印紙税や登記費用、ローンの手数料などの諸費用が支払えなくなったり、緊急時のお金が不足してしまうので、必要な費用や支払い時期を整理しておき、手元にいくらか現金を残しておくべきです。

融資内容 申込金 手付金
土地の売買契約 土地の購入者が、売主に対して支払う金銭で相場は、売買代金の5〜10% 申込金を支払った後に、売買契約が成立した場合に支払う保証金のようなもの
工事の請負契約 必要な費用や手間を補償するために支払うもの 本契約前の仮契約時に支払う費用で約10万円程度

月々の返済額を知っておく

家を建てる予算を決めるには、月々の返済額を理解しておくべきです。家計を確認して、現在の貯金額やボーナスについて計算しましょう。

住宅ローンを選ぶ

住宅ローンを選ぶ場合は、金利や保証、手数料、特典などに注意しましょう。知らずに契約すると失敗する可能性があり、金利や毎月の支払い額だけでなくて、病気で支払いがむずかしくなった時の保険や抵当権の設定費用、火災保険の指定などほかの項目も忘れずに確認するべきです。

住宅ローンを組む場合は、建築会社の担当者にも相談することをおすすめします。また、インターネットで「住宅ローン シミュレーター」と検索すると、毎月の返済額や借り入れ可能額が算出できるサイトがあるので活用しましょう。

注文住宅の希望条件を固める

間取りをイメージする

家族で話し合い、各自が好きな間取りを取り上げたり、取り入れたくない部分も含めた意見交換をし、家全体の雰囲気を共有しましょう。

家族で話し合った生活設備や収納の量、部屋数、動線といった建てたい家の要求と、ハウスメーカーがおこなう注文展示場や、友人が建てた注文住宅、工務店がこれまで建築した事例を照らしあわせて、間取りをイメージしましょう。

気に入った間取りが見つかったら、土地の形状や周囲の環境、交通量を確認したうえで選択しましょう。また、細かい部分まで決めすぎずに、まずは大まかな家具の配置や必要な広さを決め、細部を検討するのは最後におこなうことがおすすめです。

工法を知っておく

注文住宅を建てるまえに、モデルハウスや展示場を見学して、家を建てるための工法(木造や鉄筋コンクリート)について、知識をつけておくべきです。

工法を事前に調べることで、費用や性能の違い、修理のしやすさなどを比較検討できます。木造と鉄筋コンクリートでは、耐震性や遮音性、断熱性といった性能や、建物が完成した後の確認方法がちがいます。

外観や内観をイメージする

注文住宅を建てるときは、何色にするのか、素材は何を使いたいか、窓の形や配置へのこだわりといった具体的なデザインを考えます。

たとえば、二階建ての家では、色や素材の異なる外壁を組み合わせたり、一方向に傾斜が作られた屋根を採用することで、外観に変化をつけることができます。

内観のデザインは、異なる雰囲気の家具が混在すると落ち着かない印象になるので、家具や内装材、照明といった室内の雰囲気を揃えることが大切です。

家を建てる土地を探す

不動産サイトを活用する

家を建てる土地を探す場合は、最初にインターネットで情報収集をおこない、気になる土地の相場を把握しましょう。

不動産会社に相談する

気になる土地を見つけた場合は、不動産会社に相談して、ネットには載っていない土地情報や周辺環境を確認しましょう。良い土地を提案してくれることがあります。

ハウスメーカーに相談する

土地探しを手伝ってくれるハウスメーカーもあります。ハウスメーカーに相談することで、予算にあわせた土地を見つけやすくなります。

ハウスメーカーに相談する場合、土地代と建物代の割合をあらかじめ把握しておくべきです。土地代と建物代の割合は、6対4か、7対3になることが多いです。土地代が高くなってしまうと、建築費が予算オーバーしないように、間取りや設備を妥協しながら建てることになり、後に後悔してしまう可能性があります。

建築会社を選ぶ

建築会社は大きく3種類あり、こだわりを細部まで丁寧に拾い上げてゼロから設計図を仕上げて唯一無二の住宅を建築していく設計事務所、基準にあわせて統一された高品質な住宅を全国にどこでも建築するハウスメーカー、地域密着で住宅の設計・監理・施工を一貫しておこなう工務店から選びます。

会社のホームページやパンフレット、モデルハウスを見に行き、各社の特徴や得意分野、自分たちの理想の家づくりに近いものを予算の範囲内で実現可能なのかなどを確認したうえ上で会社を選びましょう。

それぞれ、選び方を間違えると料金が割高になってしまったり納得のいく家ができなかったりする原因になるので、建築会社の選ぶ基準を確認しておくべきです。

工法

注文住宅の構造には、枠組壁工法(ツーバイフォー工法・木質パネル工法)、木造軸組パネル工法、木造軸組工法、ラーメン工法(SE工法)、鉄骨造(S造)建築があり、それぞれメリットやデメリットが違います。 また、工務店やハウスメーカーによって、建築できる工法がちがうので、確認しましょう。

  メリット デメリット
枠組壁工法(ツーバイフォー工法・木質パネル工法) 耐震性・断熱性・気密性に優れている
広々とした空間が作りやすい
間取りの自由度が高い
木質パネル工法の場合は工期が短い
増改築するときに取り除けない壁・パネルがある
木質パネル工法の場合は間取りやデザインの自由度が低い
木造軸組パネル工法 耐震性・断熱性・気密性に優れている 費用が割高になる
木造軸組工法・枠組壁工法とくらべると間取りの自由度がやや低い
枠組壁工法のようにマニュアルがなく技術力にムラが出る
木造軸組工法 ほとんどの工務店に依頼ができる
費用が抑えられやすい
構造(外壁や屋根)の自由度が高い
間取りの自由度が高い
増改築をしやすい
開口部が広くとれる
耐震性や防火性がいまいち
大工さんによって技術力にムラがある
工期が長くなる
ラーメン工法(SE工法) 広々とした空間が作りやすい
耐震性に優れている
間取りの自由度が高い
想定外の強い地震に弱い地震に弱い
柱と梁が太くなり圧迫感が生まれる
費用が割高になる
設計によって強度が変わる
鉄骨造(S造)建築 広々とした空間が作りやすい
防音性や気密性が高い
費用が割高になる
木造建築の工法に比べて自由度が低い

営業担当者(ハウスメーカー)

家づくりで失敗しないために大切なのは、いい営業担当者についてもらうことです。

営業なので、ノルマがあり、競合他社と競ってお客さまと契約を迫ってくる場面があるケースが多いですが、営業トークで契約後に詳細な打ち合わせをして最終的に間取りや仕様を変更できるから仮契約を迫ってくる場合は注意が必要です。

仮契約とはいえ、書面を介して会社と契約することに間違いはありません。仮契約をしてから、間取りや仕様を変更できるかどうかは、契約書の内容によって異なります。

また、打ち合わせの時間を守らない、打ち合わせ内容をメモらない、質問に対して求めている回答をいってくれない、根拠のある情報もなく問題ありませんの一点張り、手元にある資料だけで説明を終わらせようとする、競合他社の批判をして自分たちの優位性を説明してくる場合も注意するべきです。

過去の建築実績(工務店)

工務店はハウスメーカーとちがって、モデルルームや住宅展示場がないことが多いので、自分たちの理想の住宅像を実現できるのか図るものが過去の建築実績しかありません。

過去に建築した住宅の外観や設計図を見せてもらい、設計した意図、お客さんの要望、要望を反映させた設計箇所について念入りに説明してもらいましょう。

説明してもらうときに、説得力があり、自信が伝わるかによって信頼できる工務店なのか確認するべきです。

アフターサービス(保証)が充実しているか確認する

注文住宅を建てるときは、建築後の保証が充実しているハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。建築後の保証が充実している会社は、家の引き渡し後も定期的な点検や家の確認をおこなってくれます。細かな点検をすることで、住宅の品質や安全性が維持されるため、長期間快適に暮らすことができます。

依頼前に、専門の窓口が設けられているか確認しましょう。また、保証書には定期点検や家の修繕可能な内容、時期、故障時の連絡先などが記載されているので、内容をよく確認しましょう。無償で受けられる期間や有償になる場合もあらかじめ把握しておくことが大切です。

格安な費用をアピールしていないか確認

格安な費用をウリにしてアピールしている場合、なぜその金額で住宅が建てられるのかを確認するべきです。

住宅を建てるうえで、支払う費用の内訳に原価・労務費・経費・利益とあります。大手ハウスメーカーの場合、大量生産が前提なので多くの量を仕入れる代わりに原価を抑えられる可能性はありますが、限度があります。

さらに、費用を格安にするには、素材のサイズを無理やりあわせて発注したり、セール品を大量購入して原価を減らしたり、賃金が安い職人を採用して労務費を減らしたり、1つの工務店にいくつか発注して経費を減らしたりします。

間取りや見積もりの提案をくらべる

見積りが上がる可能性を聞く

最初の見積もり費用と最終的な金額が異なることがあります。土地の条件や建築条件が違ってくると、見積もり金額が変わります。見積りの内訳を確認し、不必要な項目が含まれていないかを確認しましょう。

また、自分たちが思っていたよりも高額な設備を選択した場合や、間取りの変更が発生した場合なども、見積もりが上がる要因です。

建築後に必要となる修繕費についても各社で見積もりの内容が異なっているため、取り決めや保証も調べておく必要があります。

金額が上がると、予算をこえてしまう恐れがありますので、事前に確認しておくことが大切です。

見積りが下がる可能性を聞く

間取りや見積もりの提案を比較検討するときは、見積りが下がる可能性があるか確認しておくべきです。 大手ハウスメーカーの場合、値引きされる想定で最初に見積もりを提示している可能性が高く、ほかのハウスメーカーの金額をもとに値引きしたり、住宅の設備品で値引きしたり、会社の決算期に交渉することで、さらなる値引きがあるかもしれません。

値引き交渉が成功した場合でも、後の品質や建築完成後の保証に問題がないかを確認し、費用削減だけでなく、安全面や品質も大切にしましょう。

住宅ローンの申請をする

家づくりの設計が固まった段階で金融機関に住宅ローン事前審査の申し込みをおこないます。

土地購入費用についてローンを利用する場合は、住宅ローンの実行までにつなぎ融資という土地などに利用できるローンをご利用ください。

ただし、すべての金融機関でつなぎ融資が利用できるわけではありません。住宅ローンを選ぶ段階で利用できるか確認することが大切です。また、お得に住宅ローンを組むためには、専門家の助言を受けることをおすすめします。ファイナンシャルプランナーのような専門家に相談し、自分の条件に合った住宅ローンを見つけることが大事です。

住宅ローンの条件を比較検討して選ぶ場合は、金利や返済条件、手数料などを調べ、自分にあったローンを組むよう努めましょう。

ハウスメーカーと契約を結ぶ

代金の支払い時期を確認する

注文住宅を建てる場合は、支払いの時期を確認しておきましょう。一般的には4段階に分かれており、最初の支払いは仮契約の申込金です。費用は約10万円程度が多いですが、場合によっては100万円程かかることもあります。次に払うのは、工事がはじまるときに発生する着工金で、費用は契約金の約30%です。工事が進行し、建物が完成したら、引き渡しのときに残りの建築代金を支払います。費用は契約金の残りの30%程度です。

住宅ローンを利用する場合は、融資金と一緒に自己資金の残りを支払う必要があるので、前もって自己資金からの支払い準備をしておきましょう。また、建物の登記も引渡し時におこなわれることく内容が複雑なので、登記手続きをおこなう司法書士に依頼することが一般的です。契約時に支払い時期や金額を確認し、準備をしておきましょう。

工事スケジュールをしっかり確認する

注文住宅を建てるときは、工事の日程を把握しておくことが大切です。まず、新しい家にいつから住み始めたいのかや引越しの希望時期を決めて、希望時期をもとに工程が順調に進むような日程を組みましょう。

土地の状況も大きく影響することなので、土地がすでにある場合や譲渡されることが決まっている場合などは、事前にハウスメーカーに伝えておきましょう。そして、工事進行中には日程の遅れが発生することも覚悟し、余裕をもって予定を組むことが大切です。

さらに、建築完成後の検査のときは、納得いくまで確認をおこない、不具合が見つかったら引き渡しまでに修理してもらうよう手配しましょう。建築工程を順調に進めるためにも、工事の日程を把握し、計画的に進めることが大切です。

変更やキャンセルに関わる項目をよく確認する

注文住宅を建てる場合、途中で変更やキャンセルが発生することがあります。家のプランに変更があるときは、変更契約を交わすことが求められ、よくおこなわれる変更点は、設備の品質調整や、設備の追加などがあります。

また、北道路用の間取り例を南道路に適用することはできないと言われることがあります。たとえば、南道路は日当たりが良く、風通しが良いため、リビングや寝室といった居室を南側に配置することが多いです。

一方、北道路は日当たりが悪く、風通しが悪いため、玄関やトイレといった水回りを北側に配置することが多いです。 内容が大きく異なる北道路用の間取り例を南道路に適用することはおすすめできません。

以上のように変更を希望しても、間取りの関係や土地の関係で変更ができない箇所も存在するため、事前にどこまで変更が可能か、ハウスメーカーの担当者と相談し確認しておきましょう。

また、建物が完成した場合の検査では、床や壁に傷や汚れがないか、建具の開閉が滑らかなのか、電気設備が正常に動作するのかといった確認を忘れずにおこないましょう。

不具合を発見した場合は、引き渡し前に修理を依頼するか、入居後に修理をおこなうかを、建築会社と相談して決定しましょう。問題がおきた場合は、書面に記録しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。変更やキャンセル事項を十分に確認し、納得したうえで家づくりを進めましょう。

ハウスメーカーとプラン詳細や金額決定する

間取りや外観を決定する

注文住宅は、家の間取りや外観も自由に選ぶことができます。まず間取りでは、自分たちの生活様式や家族構成を考え、必要な部屋数や広さを決めましょう。

また、1階と2階が同じ形の「総二階」という作りを選ぶ場合、費用は抑えられますが、外観が単調になりがちです。

そこで、違う色や素材の外壁を組み合わせたり、一方向に傾斜が作られた屋根を取り入れたりすることで、外観の印象を変えることができます。

さらに、窓の形や配置も大切で、縦長の窓を並べるといった工夫をすることでデザインのアクセントになり、おしゃれな雰囲気を演出することができます。

家族みんなで間取りや外観の希望を出し合い、ハウスメーカーに伝えることは大切ですが、すべての希望を叶えるのはむずかしいため、間取りや外観においても優先順位を決めておきましょう。

住宅設備や建材を決定する

住宅設備や建材を決定するには、まず自分たちの理想の家に何が必要かを明確にします。たとえば、省エネルギーを重視するなら太陽光発電システムや高断熱材を選ぶことが大切です。

太陽光発電システムや高断熱材を取り入れることによって、住宅から出るCO2排出量を削減でき、環境に優しい家を作ることができます。

快適さを求める場合は、キッチンには食器洗い乾燥機を取り入れたり、バスルームには浴室乾燥機や追い焚き機能を取り入れたり、床暖房を設置することにより冬場でも快適に過ごすことができます。

内装には自分たちの好みに合った壁紙や床材を選ぶことが大切です。インターネットや住宅雑誌を活用して情報収集をおこない、家族で意見を出し合いながら希望する設備や建材を出し合うとまとまりやすくなっています。

そして、ハウスメーカーの担当者と打ち合わせをし、予算や希望条件に合った選択肢を提案してもらいましょう。

また、住宅展示場やモデルルームを見学することで、実際に設備や建材を自分自身で確認できるのでおすすめです。実際に目で見て触れて比較することで、より自分たちに合った選択をすることができます。

住宅設備や建材は、今後の暮らしにとって大きな影響を与えるので、納得のいく選択ができるよう慎重に進めましょう。

着工日を決定する

着工日を決定する場合は、注文住宅の工事日程について検討しましょう。まず、新しい家にいつから住みたいのか、引越しの希望時期を決め、希望を基に期間を逆算して設定していきます。

また、工事の進行が予定通りに進まない場合も想定し、1ヶ月ほど余裕を持った日程を作成することで、予定外の事態にも対応しやすくなります。

着工日が決まったら、近隣への挨拶や工事が無事に進むように、安全祈願をする地鎮祭という儀式をおこない、建築工事が始まるのを待ちましょう。

ローンの本審査を通す

住宅の計画が決まり、必要な費用が明確になったら住宅ローンの本審査に進みます。本審査は、事前審査とは違い、金融機関や保証会社がおこないます。

審査では、現在の支払い能力だけでなく、将来の収入や健康状態、担保となる物件の価値も調べられます。審査が終わるまでには約1〜2週間程度かかります。

本審査用書類 住民票、印鑑証明、健康保険証、売買契約書、登記事項証明書
住宅ローンの申し込み書類 工事請負契約書、売買契約書

本審査で落ちてしまった場合は、頭金を増やして借りる金額を減らすか、別の金融機関やローン会社に申し込み直すといった対策が考えられます。

万が一本審査に落ちた場合は、手付金が戻る特約もあるので、事前に確認しておきましょう。

住宅ローンを選ぶ場合は、金利や返済条件などについて注意深く調べ、後悔しないよう心がけましょう。ローン審査までの流れと準備するものを把握しておけば、効率良く申請手続きをおこなうことができます。

住宅工事の着工を始めてもらう

工事の見学日を決めておく

家を建てるとき、工事の進行具合を確認するために、定期的に現場を見に行くことが大切です。現在の住まいから近い場合は、毎週一度見に行くと進み具合が確認できます。もし頻繁に行けない場合でも、基礎工事や木工事、設備工事、内装工事といった各工程ごとに見に行くことで状況を把握することができます。

工事を見に行く場合は、現場で働く業者さんに感謝の意味で差し入れとして、飲み物やお菓子など、食べられるものを持って行くことをおすすめします。

ただし、作業中に話しかけないよう注意が必要です。仕事が一段落した時に会話をする程度ならば問題はありません。親切な言葉をかけることで、業者さんもやる気を持って仕事に取り組んでくれます。また、安全上の問題があるので、事前に建築会社の担当者に連絡を取ることで迷惑をかけることなく見ることができます。

工事現場で何か疑問や問題があった場合は、直接業者さんに話すのではなく、建築会社の営業担当者や現場監督に確認することによって、理想の家を効率良く建てられる確率が高まります。

引っ越しの準備を進める

引き渡される日が決まったら、引越しの準備を進めましょう。引き渡し日と同じ日に引越しをすると忙しくなるため、引越し日は引き渡し日から1〜2週間後に設定することで、余裕を持って準備ができます。

引越し業者に関しては、複数の業者から見積もりを取り、比較して選びましょう。引越しが多い期間や、縁起の良い日、午前中に引越しを希望する場合は、予約が埋まりやすいので、早めに手配をしましょう。

引越しまでの期間に、新居のカーテンや照明器具を設置する準備をしたり、必要な手続きをおこなうことによって準備を着実に進めることができます。

火災保険などの家に関わる保険を検討する

注文住宅を建てるには、火災保険や住宅関連保険を検討することが大切です。まずは、火災保険の契約手続きを住宅引渡しの2週間前を目安におこないましょう。引渡し日の約1ヶ月前から準備を始めると良いです。いくつかの保険会社から見積もりを取り、比較することで納得できる保険会社を見つけることができます。

短期間で検討したい場合は、オンラインで一括見積サービスを利用したり、ウェブで加入できるダイレクト型の火災保険がおすすめです。

火災保険料を安くする方法としては、複数の保険会社の料金や加入条件を比較し、自分に必要な補償項目だけを選び、不要な内容を外すことです。火災保険にはいろんな補償項目がありますが、必要のない項目は費用だけがかかり無駄になってしまうことがあるため、不要な内容は外しましょう。

新築住宅でも火災保険に加入することは大切です。新築住宅は設備が新しいため火災発生の可能性が低いとされていますが、隣の家からの火災被害や自然災害による被害の危険性があります。火災保険に加入することによって、財産や生活を守ることができます。

住宅の完成と引き渡し

完成立ち会いで不具合を探す

注文住宅が終わりに近づくと、完成立ち会いがおこなわれます。完成立ち会いとは、建物が無事完成したかを確認する工程です。建設関係者と一緒に、家の中の床や壁に傷や不具合がないかの確認をおこないます。気になる箇所を発見した場合は、家を渡すまでに修理をするのか、入居してからにするのかを建築会社と相談して決めましょう。

修理が終わったら、施工会社が作成した「工事完了書」に押印し、引き渡しの準備へと進みます。鍵や保証書、検査済証は引き渡しの時に受け取りましょう。保証書には定期点検や建設後の修理修繕の内容や時期などが記載されているので、一読し確認をしておきましょう。

完成立ち会いは、家が問題なく完成したことを確認する大切なものです。ここで丁寧に確認をおこなわないと、入居後に不具合が見つかったときに対応がむずかしくなる場合があるので、注意深く確認しましょう。

注文住宅の流れを進めるうえで知らないと後悔すること

物件購入にかかる建築以外の費用

売買契約書に必要な印紙代

注文住宅を購入する場合、売買契約書に必要な印紙代という費用が発生します。印紙代とは、契約書や受取書などといった課税文書を作成するときに、国から課せられる税金のことで、契約金額や土地の価格によって異なりますが、一般的には契約金の5〜10%が目安とされています。印紙代は、契約書に貼る印紙を購入するための費用であり、契約が正式に成立する場合に必要です。支払いの時期は、住宅の工事請負契約を結ぶ時に現金で用意することが一般的なため、契約を結ぶ前に印紙代の用意が必要です。

契約書に記載されている内容を理解し、間違いがないか確認したうえで契約を結びましょう。

土地や建物の登記にかかる登録免許税

注文住宅を建てる時は、建物の価格だけなく、土地や建物の登記にかかる登録免許税も費用の一部として考えましょう。登録免許税とは、土地や家の所有権の名義を変更する場合にかかる税金のことで、登記手続きをおこなうときに支払う必要があります。手続きは、司法書士に依頼することが多く、約5〜15万円程度かかるので依頼手数料も含めて費用の見積もりをおこないましょう。土地や建物の価格、登記の内容に応じて税額の変動があるため、事前に詳細を確認しておく必要があります。登録免許税を考えず予算を立ててしまうと、後で予想外の出費に困ることがあるため、最初の段階で税金について把握することが大切です。

登録免許税以外にも、不動産取得税や固定資産税、都市計画税など様々な税金が発生するので、注文住宅を検討する場合には、税金についても把握する必要があります。

登記を司法書士へ依頼した時の依頼料

司法書士へ依頼する費用は、5〜15万円程度です。司法書士に依頼した場合、手続きをまとめて依頼でき、手続きでのミスを減らし何度も登録に行く手間がかからないという良さがあります。

司法書士に依頼できる内容  
建物の登記手続き 所有権移転登記(不動産の所有権を移行際に必要な手続き) 抵当権設定登記(抵当権付きのローンを借りて不動産を購入した場合に、不動産に抵当権が付いていることを表すために手続き)
土地の登記手続き 所有権移転登記(土地の所有権を移行際に必要な手続き) 抵当権設定登記(抵当権付きのローンを借りて土地を購入した場合に、不動産に抵当権が付いていることを表すために手続き)

建物の登記手続きの費用は、設定する建物等の価格や依頼する司法書士によって変わりますが、3000万円の家の場合、約6〜8万円程度です。 登記手続きは専門的な知識が求められるため、信頼できる司法書士を選ぶことも大切です。事前に周囲の人からの紹介やインターネットでの評判を参考にして選びましょう。

土地や建物の取得にかかる不動産取得税

住宅を購入するときは、建物や土地を取得することに伴って、一度だけ不動産取得税を支払う必要があります。不動産取得税とは、土地や家を手に入れることによって、国や地方自治体に対して納めるもので、取得価格や地域によって税額が異なります。また、不動産取得税以外にも毎年かかる固定資産税や都市計画税、火災保険や地震保険などといった保険料も把握しておきましょう。 税金や保険料は、住宅ローンの返済とは別に支払う費用のため、家を建てる前に、予算計画に組み込んでおくことが大切です。

地鎮祭や上棟式にかかる費用

地鎮祭や上棟式は、注文住宅を建てる際におこなう祭事のことです。地鎮祭は、家の建築前に土地の神様に許可を得て工事の安全を祈るもので、約30分〜1時間ほどかけておこなわれます。お米やお酒といったお供え物と、2〜5万円程度おさめる必要があります。

一方、上棟式は、家の骨組み工事が進み棟木が取り付けられた際に行われる祭事で、工事関係者が集まり今後の安全を祈願します。内容は地域によって異なり、お酒や塩を柱に撒いたり、お餅を撒いたりと様々な形式があります。費用は約10〜30万円程度です。

しかし、最近は両方の祭事を省略することも多く、おこなう場合でも簡略化されることが一般的です。地域の風習に合わせて判断し、家族で相談してどちらの祭事にするのか決めましょう。

引越しにかかる費用

注文住宅を建てるときは、引越しにかかる費用も検討しておきましょう。まず、引越し業者を選びます。引越し費用の相場は、家族の場合、繁忙期ならば、約8万円〜10万円程度、通常期ならば、約6万円〜8万円程度となっています。

また、引越しを機に新しい家電や家具を購入する場合も、予算や置き場所を事前に把握しておくことが大切です。引越しにかかる費用や準備期間も、予定や予算内に組み込むことで計画的に新生活を始めることができます。

家具家電の購入費用

家を建てる場合は、家具や家電の購入費用も検討する必要があります。まず、大型家電や家具を購入する場合は、搬入時に道路や玄関に運ぶ空間が十分にあるか確認しましょう。設計のときに空間を確保しておき、完成後、メジャーでカーテンのサイズや冷蔵庫、洗濯機といった大型家具の搬入経路を計測しておきます。また、家具や家電の搬入日は、できるだけまとめて搬入することができるように予定をたてておくことが大切です。立ち合いが必要な搬入をまとめておこなうことで予定をたてやすくなります。

さらに、カーテンや照明の取り付けを引越し前におこなうことで、新居に入ると共に快適な生活を始められます。引越し日を決めるときは、余裕をもって1〜2週間程度の日数をもたせることがおすすめです。

家具や家電の購入には大きな費用がかかりますが、十分な計画と準備をおこなうことで、無駄を省きながら自分たちの暮らしに合った家具や家電を揃えることができます。

毎年かかる固定資産税

注文住宅を持つことは、多くの家族にとって夢ですが、夢を実現するためには、毎年かかる固定資産税に注意が必要です。固定資産税は、土地や家を所有している人が毎年支払わなければならない税金であり、市町村が算定し地域や物件の評価額に応じて決定されます。

固定資産税は他の支払いと同様に計画的に準備しておきましょう。たとえば、家を建てる前に、いくら固定資産税がかかるかを事前に調べておくと、予算計画に役立ちます。また、節税対策として、住宅ローン減税制度というものがあります。住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを借り入れて住宅の新築や改築などをした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除するという制度です。住宅ローン減税制度を利用することで、税金負担を減らすことができます。

家を建てる時に検討すべき保険

火災での被害をカバーする火災保険

注文住宅を建てるときに、火災保険に加入することは大切です。火災保険は、住宅が火災や落雷によって被る損害を補償します。また、風災や水災、盗難といった予期せぬ問題にも対応でき、災害発生時に家の修繕費用や生活費を補償してくれるため、安心して暮らすことができます。

火災保険に加入していると、もし隣の家が火事などによって被害にあった場合でも、経済的な損失を抑えることができます。特に新築の場合、住宅ローンをまだ払っている途中なのに新たな住宅を探さなくてはならないという場合もでてきます。

地震保険も火災保険と一緒に加入することができ、地震保険は火災保険で補償されない災害による損害にも対応できます。火災保険と地震保険を両方加入することで、さまざまな被害に備えることができます。

地震での被害をカバーする地震保険

注文住宅を建てるときに、地震保険についても検討することが大切です。日本は地震が多い国であり、もし自宅が地震で被害を受けた場合、地震保険が経済的な支えになります。地震保険に加入していると、地震や噴火、津波などによる自宅や家財の被害が補償されます。ただし、地震保険は火災保険に付帯する形でしか加入できないという点に注意しましょう。

地震保険の補償内容は、建物と、建物内の家財を対象としています。建物や家財が地震で損害を受けた場合、地震保険損害認定基準にそって保険金が支払われます。地震による直接的な損害のみならず、地震によって起こる火災や津波といった災害にも対応しています。

地震保険に加入していれば、被災した際に住宅ローン残高や生活費の不足部分や欠損部分を補うことができるため、家族の生活を継続させる支援が受け取れます。また、日本は地震発生の危険性が高い国であり、過去には東日本大震災や熊本地震などを経験しています。以上のことを考えると、地震保険の加入はおすすめだと言えます。

しかし、すべての危険性に対して補償をつける必要はありません。大事なことは、注文住宅を建てるとき、自分にとって必要な補償は何なのか見極めることです。住宅を建てる地域や建物の構造によって、必要な補償範囲は変わるため、自分に適した地震保険を選ぶことが大切です。

水漏れや盗難の被害をカバーする住宅総合保険

家を建て火災保険に加入した場合、水漏れや盗難の被害を補償する住宅総合保険も含まれています。新しい設備が整っているからと安心していても、水漏れや盗難の危険性がなくなるわけではありません。

住宅総合保険は、水漏れや盗難による損害補償だけでなく、台風や集中豪雨によって発生する洪水など、自然災害による被害も補償対象です。住宅の安全を確保しながら、もし何らかの被害が発生した場合でも、経済的な損失を最小限に抑えられます。

住宅を建てるときは、火災保険や住宅総合保険に加入することを検討しましょう。各保険には様々な補償項目があるので、自分にとって必要な保険を見つけることが大切です。また、保険会社によって保険料や加入条件が異なるため、複数の会社を比較検討することがおすすめです。住宅を守るためにも、万が一に備えて保険に加入しましょう。

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