ハウスメーカーと工務店の違いとは?特徴から分かる依頼先の選び方
「家を建てようと思うけど、ハウスメーカーと工務店は何が違うの」「色々調べたけど、どっちがいいのか分からない」と悩んでいる方は皆様が思う以上に大勢いらっしゃいます。
ハウスメーカーと工務店にはそれぞれの特徴があり、選び方を間違えると料金が割高になってしまったり納得のいく家ができなかったりする原因になります。
せっかく家を建てるのであれば、自分にあった家を自分にあった値段で建てたいと思うはずです。 ハウスメーカーと工務店の何が違うのかを知って、どちらが自分に向いているのか確認してください。
目次
ハウスメーカーと工務店の費用の違い
間取りや外観デザイン、素材、設備があらかじめ決められているプランを選ぶのか、設計図をゼロからつくって住宅を建てるプランを選ぶのかによって変わりますが、ハウスメーカーと工務店の費用では、原則としてハウスメーカーのほうが割高になります。
費用に違いがでる一番の理由は「広告費」
ハウスメーカーと工務店の費用に違いがでる一番の理由は「広告費」です。
広告は大きく打つほど莫大な金額がかかります。大手ハウスメーカーは全国展開の為、全国に広告を打つ必要がありますが、工務店は地域密着型のため全国に広告を打つ必要がないのです。
同じテレビCMでも全国に放映するよりも地域を限定して放映する方が断然安く済みます。
また、広告費だけでなく、全国に配置している営業マンの人件費や全国のモデルハウスの建築費・運営費をとってみても、ハウスメーカーは大きな金額がかかります。
工務店は地域密着で小規模のため、ハウスメーカーにくらべてかかる経費が少なく金額が大きく違うのです。
ハウスメーカーも工務店も事業を継続していくための費用が住宅価格に含まれるのは同じですが、経営にかかる費用が大きく違うため、ハウスメーカーの方が住宅価格が割高になります。
こだわりすぎなければ安価傾向の工務店
工務店の費用はハウスメーカーにくらべて安い傾向にあります。
例をあげると、東京都の工務店である「三浦工務店」の注文住宅は平均坪単価が30万円前後、熊本を中心エリアとしている「コスモホーム」は坪単価50万円前後です。
地域によっても少しの差はありますが、ハウスメーカーの中間価格層の坪単価の中央値と同じ程度の金額になります。
ハウスメーカーの費用が工務店より安くなるケース
ハウスメーカーの中でもローコスト住宅を推している会社は坪単価20〜50万円程で工務店より安くなる可能性があります。ハウスメーカーの例をあげると「レオハウス」「アイフルホーム」があります。どちらも坪単価20万円程の住宅から注文でき、高価格帯のプランでも坪単価50万円程です。
中間価格を推しているハウスメーカーの場合は坪単価30万円〜50万円程で、ハウスメーカーの中間価格から工務店よりも少し割高な傾向です。ハウスメーカーの例をあげると「タマホーム」「アエラホーム」があげられます。
高価格帯の高級住宅をメインにしているハウスメーカーになると坪単価60万円以上で高額だと坪単価100万円程になる会社もあります。ハウスメーカーの例をあげると「パナソニックホームズ」「スウェーデンハウス」があります。 パナソニックホームズは坪単価70万円程から、スウェーデンハウスは坪単価80万円ほどからと、高級住宅になります。高価格帯になると、工務店の費用の2倍以上の可能性もあり、割高に感じる方も多いです。
こだわりの実現にかかわる住宅の設計の自由度の違い
自分の家を建てるときには、「台所を使いやすくしたい」「将来的に2人欲しいから子ども部屋にもなる部屋を作りたい」など、こだわりがあるものです。自分が譲れないこだわりが反映できるかにも違いがあります。
あらかじめ用意されたプランから選ぶハウスメーカー
ハウスメーカーは、価格帯や階数などがざっくりと決まったプランが用意されています。 いくつかあるプランの中から希望の住宅を選ぶ事が基本なため、大幅な変更をしにくいところが特徴です。
ただし、少しの変更で問題ない場合やあまりこだわりがない方にとっては住宅の完成イメージがしやすく、簡単に注文ができます。
用意されているプランも少ないわけではありません。 たとえば、ハウスメーカーによっては20を超えるプランから選ぶことができます。
叶えたいこだわりを細部まで要望できる工務店
工務店は、こだわりが強い方にぴったりの建築業者です。 狭小であったり形がいびつな場所であっても、土地に合わせて住宅を建築できます。
さらに、家を建てる際に使う建材もハウスメーカーより充実しています。
ハウスメーカーでは大量生産している自社の建材を使用するため、希望の建材があっても使用できない場合がありますが、工務店では注文できるものであれば使用可能です。
木の種類に希望があったりテーブルの木目にこだわりがあったりする場合なども柔軟に対応してくれるため、イメージが明確だったり譲れないこだわりがあるときは工務店がおすすめです。
建築技術や経営状況にかかわる会社の規模の違い
ハウスメーカーと工務店の違いのひとつに会社の規模があります。ハウスメーカーは全国に営業所を展開していますが、工務店は地域密着です。
全国展開と地域密着型、それぞれメリットはありますが年商や知名度が大きく異なるため、会社の規模や安定感はハウスメーカーの方が優れています。
建築件数が多くて経営・建築技術が安定しているハウスメーカー
全国に営業所があるハウスメーカーは、全国どこでも家を建てることができます。 その分売り上げも大きく、経営も安定しています。
全国で建築をおこなうため、新しい建材の開発や新しい技術の開発に力を入れているところも多く、最先端の技術や独自の建材があるなど、住宅機能を重視している場合は魅力です。
大手ハウスメーカーの「三井ホーム」は木材建材事業本部という事業部があり、建材に力を入れていることが伺えます。
建築件数が少なく会社によって経営状況・建築技術に差がある工務店
工務店は、全国展開するハウスメーカーとくらべると、建築地域が限定されていて、会社の規模が小さいので、建築件数が少ない傾向にあります。なかには、建築件数が少なく、経営がうまくいっていない工務店もあります。
ハウスメーカーの場合、間取りや外観デザイン、素材、設備があらかじめ決められているプランがあり、地域ごとに提携している工務店があるので、完成する住宅によって大きな欠陥が生まれる可能性は低いですが、工務店の場合、依頼する工務店によって技術力に差があるので、注意が必要です。
住宅を建てられる地域の違い
ハウスメーカーは、全国に営業所があるため原則としてどの地域でも注文を受けてもらえます。しかし、工務店は全国展開しておらず施工ができる地域が限られています。
口コミや工務店のホームページを見て「ここに注文したい!」と思っても、自分が家を建てたい地域で施工ができないこともあり得るのです。
全国津々浦々どこでも住宅を建てられるハウスメーカー
ハウスメーカーは、全国に営業所があるため、原則として、どこの地域でも家を建てることができます。
各都道府県に営業所や住宅展示場があります。たとえば、ハウスメーカーの大手である積水ハウスは47都道府県に営業所と住宅展示場があります。
大手ハウスメーカーの中にも47都道府県全てを網羅していない会社もあります。 タマホームは47都道府県全てには営業所・住宅展示場はありません。 しかし、42都道府県に営業所・住宅展示場があり、営業所・住宅展示場がない地域にも家を建てることが可能です。
地域密着型で地元のみ対応可能な工務店
ハウスメーカーに対して、工務店は小規模で営業しているので、施工ができる地域が関東のみ、東海のみと絞られている可能性が高いです。
例をあげると「小嶋工務店」や「BLISS」があります。小嶋工務店の対応エリアは東京都全域、神奈川県・埼玉県の一部、BLISSの対応エリアは東京都23区、埼玉県の一部、千葉県の一部、神奈川県の一部です。
なかには、1つの都道府県や、いくつかの市区町村など狭い地域でしか施工ができない工務店もあります。「バウハウス」は東京都及び隣接地域が施工できる地域で、ハウスメーカーとくらべるとエリアが狭いことが分かります。
そのため、実例や口コミをみて気に入ったとしても自分が家を建てたい地域で施工ができるかが問題です。
ハウスメーカーと工務店の工期の違い
原則として、ハウスメーカーの工期は短く、工務店は工期が長くなる傾向にあります。
施工が効率化されていて工期が短いハウスメーカー
ハウスメーカーの工期が短い理由は、プラン設定にあります。ハウスメーカーで住宅を注文する際、数あるプランの中から選びます。
すでに設定されているプランは建築の流れが効率化されており、いかに短期間で効率よく建築できるか考えられているのです。
全国展開するハウスメーカーで大量の物件を建築しているからこそできる技です。建材についても規格があるなど工期を短くするための工夫がいたるところにあります。
要望通りの完成を目指すため工期が長い工務店
工務店はハウスメーカーと違ってお客様の要望にあわせて、ゼロから設計図を作成して、家を建てます。そのため、建材の規格が決まっていたり建築の流れが効率化されていたりするわけではありません。
お客様の要望に合わせるための建材の切り出しや発注などがあり、ハウスメーカーのように建材があらかじめ決まっていて作業が効率化されている住宅よりも工期が長くなる傾向です。
建材にこだわったり間取りにこだわったりするなどこだわりがあればあるほど、手配に時間がかかったり建築工程が多くなったりして工期は長くなると言われています。
住宅完成した後のトラブル対応やアフターフォローの違い
住宅は完成して終わりではありません。完成した後も長期間住み続けるため、必ず劣化していきます。
劣化したり何かの拍子に破損したりした場合、必要になってくるのがアフターフォローです。ハウスメーカーと工務店ではアフターフォローにも違いがあります。
安定の経営状況が成せるハウスメーカーの長期フォロー
ハウスメーカーのアフターフォローは比較的長く、10年~30年程度あります。 長期保証をさらにつけることもでき、最長で60年の保証を受けられるハウスメーカーもあります。
会社の経営が安定しているからこそアフターフォローの期間を長く設定できるのです。
住宅を注文しようと考えている方が重要視するポイントで、アフターフォローを上げている方は多くいます。
住宅金融支援機構がおこなった2020年1月~2月の調査では、住宅を建築するときに重要視するポイントとして6位に上がっています。
会社によって対応にばらつきのある工務店
工務店のアフターフォローはハウスメーカーと違い、各会社で違いがあります。
工務店の多くは、2年~10年ほどのアフターフォローをおこなっています。たとえば、栃木建築社やアールギャラリーは10年、ロビンスジャパンは2年のアフターフォローがついています。
しかし、工務店の中にはアフターフォローに力を注いでいる会社もあり、三栄建築設計では60年のアフターフォローを掲げています。
工務店のアフターフォローは各会社によって大きく異なる場合があるため、アフターフォローを重要視する方は必ず確認しておきたい部分です。
重要視するポイントで違うこだわり別の依頼先選び
ハウスメーカーにも工務店にも強みや弱みがあります。 自分が家を建てるときに何にこだわりたいのかを考え、そのこだわりが強みである建築会社を選ぶと間違いありません。
強み | 弱み | |
ハウスメーカー | ・圧倒的な知名度で安心感がある ・施工できる地域が広い ・工期が短い ・アフターフォローが充実している |
・プランが決まっているため、柔軟な対応をしてもらいにくい ・費用が割高になる |
工務店 | ・こだわりをとことん追求できる ・費用がハウスメーカーにくらべて割安 |
・施工できる地域が狭い ・工期が長め ・経営が不安な工務店もある |
有名で安定しているほうが良いならハウスメーカー
会社の経営が安定していて知名度があるハウスメーカーは、アフターフォローも充実しているため、安心感があります。
子どもが入学する前には完成していてほしいなど、工期が気になる方でも事前の相談でピッタリのプランを提案してもらえます。
細かいところまでこだわりたいなら工務店
家を建てる土地が狭い、土地が正方形ではなく少しいびつな形をしているなど、ハウスメーカーでは対応がむずかしい案件でも工務店であれば柔軟に対応が可能です。
「4階建てにして全ての階に洗面所をつけたい」「お風呂が二か所欲しい」などの様々な注文に応じられるのも工務店の強みです。
住みたい家のデザインがはっきり決まっていて、建材などにもこだわりたいのであればハウスメーカーよりも工務店に軍配が上がります。
ハウスメーカーと工務店どちらが良いか決まっても、どの会社に注文したらいいのか分からない場合は、是非ウチつく by Onnelaにご相談ください。
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