【具体例あり】注文住宅で失敗したくない!何に気をつけたらいいの?
家は一生に一度の買い物ですから、絶対に失敗したくないですよね。しかし初めて購入するからこそ、どこに気をつければいいかもわからないものです。そこで今回は、注文住宅の失敗について、部屋ごとの事例とともにご紹介していきます。
注文住宅は失敗が不安?
【Point】注文住宅は自由度が高い分、失敗もありうる!
注文住宅を建てる時に、「もし失敗してしまったらどうしよう」と悩んでいる方は少なくありません。一般的に、数千万円単位の買い物は家の購入でしか経験しないもの。一生に一度だからこそ、絶対に失敗したくないですよね。
しかし実際には、大きな失敗だけでなくちょっとした残念なポイントも含めると、注文住宅を建ててから「もっとこうすれば良かった」と思うケースは多々あります。これは、注文住宅ならではの自由度の高さが理由です。
失敗のポイントは部屋ごとに異なるので、どの部屋にはどんな点がポイントになるのか、事前に理解したうえで家づくりに取り組んでみてください。
キッチンの失敗
【Point】毎日使うキッチンは使いやすさを重視!
1.キッチンの高さがあわない
キッチンでの作業は基本的に立ちっぱなしで、生活スタイルによっては毎日必ず使うことになります。しかし高さがあっていないと非常に使いにくく、足腰を痛める原因にもなりかねません。キッチンの高さは「身長÷2+5」がベストだと言われていますが、できれば実際にショールームなどを訪れて自分が使いやすいかどうか、目の前に立ってみることをおすすめします。
2.調理スペースが小さい
キッチンの調理スペースは60cm以上がおすすめです。これ以上のサイズであればまな板を置いても余裕が生まれ、全体的に作業がしやすくなります。実際、システムキッチンの多くは奥行65cmが標準サイズとなっており、快適に使えるよう設計されています。
たまに、「そんなに凝ったものは作らないから」「調理器具をたくさん持っているわけではないから」といった理由で小さめのサイズにする方もいますが、60cm以下になると肉や野菜を切るといった基本的な動作もやりにくくなってしまうので、あまりおすすめしません。
3.キッチンスタイルのデメリットを知らなった
壁付、ペニンシュラ、アイランドといったキッチンスタイルには、それぞれメリットとデメリットがあります。メリットだけで選んでしまうといざ暮らし始めたときに使いにくさを感じてしまうこともあるので、注意が必要です。
壁付キッチンの場合、荷物を置くスペースが小さく、料理をしながら家族の様子をチェックすることが難しくなります。ペニンシュラキッチンは油汚れなどが目立ちやすく、吊戸棚を作れないため収納が小さくなります。アイランドキッチンも汚れが飛び散りやすく、においが広がりやすいです。
4.スペースの想定不足
最近は様々な調理家電があり、複数のアイテムを持っている人もたくさんいます。それらを活用するためにも、どこにどのアイテムを置くのかを考え、コンセントをどこに配置するかを配慮してください。また、忘れがちなのがゴミ箱を置く場所です。なるべく来客に見えない位置できるよう、プランニング段階から考えておくとよいでしょう。
収納スペースが大きければ良いというわけでもありません。例えば大きな吊戸棚は便利かもしれませんが、圧迫感も生まれます。そこに収めるだけのアイテムを持っているのであれば重宝しますが、収納スペースだけが無駄に大きくてもあまりメリットは感じられません。本当にそれだけのスペースが必要か、冷静に考えてみてください。
バス・トイレの失敗
【Point】換気や掃除のことも踏まえた家づくりを!
1.掃除しにくい建材を選択
どのような建材を使うかによって、掃除のしやすさは変わります。例えばタイルを使ったおしゃれで可愛らしい洗面スペースは、憧れる方が多いものです。しかし実際に住んでみると、掃除の大変さに気が付きます。
長く住む家ですから、おしゃれさだけでなく掃除のしやすさで選んだ方が、結果的に住みやすい家になります。
2.湯垢による白い汚れが目立つ
黒い壁やバスタブは、とてもラグジュアリーなテイストになります。ホテルのような雰囲気で気分が上がりますし、明るさを抑えることでリラックスできるという効果もあります。その一方、シャンプーやボディーソープの石鹸カスや、白いカルキ汚れが目立ちます。使うたびに拭き上げ掃除が必須になってしまうので、自信がない人は白いバスタブや壁を選ぶ方がおすすめです。
3.窓を開けることがない
換気ができるからと浴室やトイレに窓をつけたいという方はたくさんいます。しかし、換気のために本当に窓が必要でしょうか。特に最近の浴室は浴室乾燥機能が当たり前となっていて、窓がなくてもすぐに乾きます。また、防犯面から窓を閉めておくことがほとんどです。
採光のために窓を設置したいと考える方もいますが、お風呂に入るのが夜であれば意味がありません。ほこりや汚れが溜まるデメリットの方が大きい場合も多いので、必要性についてはよく考えてみてください。
玄関の失敗
【Point】すっきり見える工夫や、出入りが簡単な仕組みも要件等!
1.玄関に鏡がない
シューズボックスに鏡をつけている家は多いですが、「別の部屋に全身鏡があるからいらない」と鏡をつけないケースもあります。しかし玄関の鏡は、単に身だしなみを整えるという意味だけでつけるわけではありません。狭くなりがちな玄関の圧迫感を軽減し、実際よりゆとりある空間に見せる効果があります。居室を広くするために玄関がコンパクトになる場合は特に、鏡の設置を検討してみてください。
2.スマートロックの未検討
最近では、鍵を使わずに施錠できるスマートロック製品があります。買い物帰りに子どもを抱っこしながら鍵を鞄から探すといった事態を防げるため、非常に人気です。スマートロックの種類は様々で、カードをかざしたりボタンを押したりといった方法があります。
このスマートロックを知ったうえでつけないのであればいいのですが、その存在を知らず「こんなに便利なものがあったなんて」と、注文住宅を建ててから後悔することは避けるべきです。事前に、どんな種類があって予算はどのくらいなのか、調べてみることをおすすめします。
3.コンセントがない
「玄関にコンセントが必要?」と思うかもしれませんが、意外とコンセントがないことを後悔している方が多いのも事実です。掃除機やフットライトをはじめ、電動自転車やDIY工具の充電器、ツリーなどの季節の飾りなど、玄関で使いたい製品は意外とあります。
リビング・寝室の失敗
【Point】長く過ごす部屋だからこそ、住みやすさを重視するべき!
1.収納が足りない
リビングに収納がないと、生活用品の出し入れに苦労します。玄関や洗面所などにまとめておく方法もありますが、何かを出すたびにわざわざ部屋を移動するのは効率的ではありません。掃除道具や生活用品のストックなどは、使う頻度の高い部屋においておけるように、しっかり収納を作りましょう。
2.壁や床、カーテンがイメージと違う
一日の中で過ごす時間が長いリビングや寝室は、特に内装にこだわりたくなるものです。しかし壁紙や床材は小さなサンプルを見て判断しなくてはならないため、実際に建ててみるとイメージと違ったということが多々あります。
可能であれば、気になっている素材を使ったショールームを訪れることがおすすめです。実際の大きさになったときにどんな印象なのか、一目でよくわかります。
3.床暖房が不要
冬場のフローリングはひんやりしていて、歩くたびに足先が冷えてしまいます。そこで床暖房を入れる方は多いのですが、意外にも住み始めると使わないというケースも。というのも、床暖房は非常に光熱費がかかります。そのうえ、移動するのは一部なのに床全面を温めると、もったいない気がしてしまうものです。
お住まいの地域にもよりますが、まずは保温性の高いスリッパなどで代用できないか考えてみて、やはり床暖房が必要だという結論になったら、部分的な配置を検討してみましょう。テレビ台など家具の下を温める必要はありません。
4.吹き抜けや大きな窓のせいで寒い
リビングの吹き抜けは一気に部屋が広く見えるため、非常に人気です。その一方で、冷房や暖房が効きにくくなるという大きなデメリットを抱えています。特に暖房を入れても温かい空気がどんどん上の方にたまってしまい、実際に過ごす空間は寒いままということがよくあります。
また、大きな窓も同じです。吹き抜け同様とてもおしゃれな家になりますが、冷気は窓から入ってきます。見た目の良さと生活のしやすさのバランスをどうとるか、しっかり検討してから導入する方が後悔しないでしょう。
屋外・庭編の失敗
【Point】室内だけに気を取られず、家の外の環境も考える!
1.駐車場・駐輪場が小さい
駐車場が小さいと、大きな車への買い替えがしにくく、例えば「子どもが生まれるからファミリーカーにしよう」と思っても躊躇してしまいます。また、車を出し入れがしにくいので毎日ストレスが積もることも。今持っている車のことだけではなくこれからのライフスタイルを考えて、なるべくゆとりのある駐車スペースを確保した方がよいでしょう。
駐輪場も、同じく大きめの方がベターです。子どもが進学して自転車通学になったり、趣味でバイクを始めたりと、今後より大きな駐輪場が必要になる可能性はあります。その際、複数台停められなかったり、縦に並べて停めるしかなく出し入れがしにくかったりすると、非常に不便です。
2.適切な目隠しができていない
バーベキューや家庭用ビニールプールが楽しめる広い庭を作っても、通りから丸見えではなかなか使いにくいですよね。堀などをうまく作り、閉塞感を出さずに人目を遮断することが大切です。ウッドデッキを作るときにも、そこでどう過ごしたいのか、外からどう見えるのかをチェックしてください。
3.雑草の処理が大変
屋内ばかりに気を取られて庭に目を向けないと、雑草が大量に生えてしまうことも。「生えたなら抜けばいい」と思っていても、夏場の雑草取りは意外と重労働です。タイルなどを敷くことで予防できるので、事前にしっかり考えておきましょう。
また、天然芝は冬枯れの心配も。青々とした芝が茶色く枯れると印象が大きく変わるので、計画段階から想定しておきましょう。
4.外壁がイメージと違う
外壁のサンプルは小さく、家全体がこの材質になったらどう見えるかを想像するのは難しいことです。思ったより派手になってしまったり、気に入っていたはずの色の印象が変わったりすることもよくあります。
リビングや寝室の部分でも解説した通り、これはモデルハウスに行けば解決する問題です。同じ外壁を使った家がどう見えるのか、実際に目で見て確かめるのが失敗を避ける最適な方法でしょう。
注文住宅で失敗しないために
【Point】誰とどうやって暮らすのかを考えると失敗は避けられる!
注文住宅で失敗しないためには、デザインと機能性のバランスを取ることが重要です。「せっかく自由に考えられる注文住宅を建てるのだから、おしゃれにしたい」という気持ちは大切ですが、まずは「住みやすいかどうか」を基準にして、そのうえで好みに合ったデザインを選んでください。
特に、生活動線を考えることがポイントです。この家にどうやって暮らすのか、誰がどういった移動をするのかなど、具体的に考えてみてください。すると、自ずと「トイレはこちら側にあった方がいい」「ここに収納は必要」といった要素を明確にできます。
また、機能性もしっかり確認しましょう。断熱性能が低ければ部屋の温度調整が難しくなりますし、遮音性が低ければ家族の立てる音が気になってストレスになってしまいます。快適に長く暮らしていくためにも、こうした点は重要です。
一生に一度の買い物である注文住宅で「もっとこうすればよかった」と後悔しないために、まずは失敗事例をよく知って、これからの家づくりに活かしてみてください。
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