ローコスト住宅とは?メリットやデメリット、後悔しないための重要なポイントを徹底解説!


 


住宅は、多くの方にとって一生に一度の大きな買い物です。日頃のショッピングとは比較できないほど高額な費用がかかるため、「本当は一戸建てを購入して暮らしたいけれど、資金に余裕がなく賃貸で暮らしている」という方も少なくありません。

そんな方にぜひ知ってほしいのが、ローコスト住宅です。ローコスト住宅とは一体どのような家なのか、なぜ一般的な住宅よりも価格が安いのか、どんなメリットとデメリットがあるかなどを解説します。

 


ローコスト住宅とは?

【Point】ローコスト住宅とは、1,000万円台で建てられる安価な住宅のこと!

ローコスト住宅とは、一般的な住宅よりも安価に販売される住宅のことです。大手ハウスメーカーによるグレードの高い住宅の坪単価は80万~100万円ほどで、中堅メーカーでも坪単価55万~75万円ほどの価格なのに対し、ローコスト住宅の坪単価は30万~50万円と非常に安価です。

総額で比べても、注文住宅の建築費用の全国平均が2,879万円(*)である一方、ローコスト住宅は、総額1,000万円台で建てられます。こうした理由から、平均のおよそ半額で購入できる住宅として注目されています。

 


ローコスト住宅はなぜそれほど安いのか?

【Point】ローコスト住宅は材料費、設計費、人件費、広告宣伝費を上手にカット!

 

ローコスト住宅は、単に価格が安いだけなのでしょうか。価格が安い分、「品質や安全面は大丈夫なの?」と心配してしまうこともあるかもしれません。価格を抑えられる理由として、4つのポイントがあります、

1つ目のポイントは、材料費です。一般的な注文住宅ではどこにどんな建材を使うかを指定することもできますが、ローコスト住宅では基本的に使用する建材が決められています。選択肢が少ないことが多く、自分たちの希望通りに選ぶ場合はオプション扱いとなり、別途費用が発生するケースが多いです。

また、ローコスト住宅で使われる建材はハイグレードなものではありません。断熱性の高いものや汚れが落ちやすいもの、耐久性が高いものなど様々な建材がありますが、ローコスト住宅で使われるものはそうした付加価値がついていない場合がほとんどです。地震の揺れなどに対する家の強さも、大手ハウスメーカーが備えるレベルを求めている場合は不十分かもしれません。ですが、国が定める基準はすべてクリアしており、暮らすうえでの安全性は特に問題ありません。

2つ目のポイントは、設計費です。住宅はどんな間取りにするか、どんな設備をつけるかによって大きく費用が変わります。シンプルな箱型で壁の面も少なければコストが小さく、複雑な形や間取りにするとコストが大きくなります。

また、キッチンや浴室のグレードも低めに設定されていることがほとんどです。これらはこだわろうとすればどこまでも良いものを選べますが、ローコスト住宅では快適に使える最低限のものが選ばれています。他にも細かい工夫を重ね、少しでも値段を下げられるようにプランニングされています。

3つ目のポイントは、人件費・諸経費です。ローコスト住宅は間取りの自由度が高くありませんが、そのことが人件費削減に繋がっています。一見するとあまり関係がなさそうに見えますが、実は、同じ設計の住宅を複数建てることにより工事がスムーズに進むため、一般住宅の工事よりも少ない人材でまかなうことができるのです。現場に合わせてイレギュラーに対応する必要がなくなるという点も、人件費カットにつながります。

また、簡単な間取りにすることで基礎工事などの諸経費を抑えます。同じ建材を同じように使うため、仕入れた段階でまとめて加工し、現場で組み立てるといった、経費を抑えるための工夫もされています。

4つ目のポイントは、広告宣伝費です。大手ハウスメーカーのテレビCMなどを一度は見たことがあるでしょう。ローコスト住宅ではこのような広告宣伝費をなるべくかけないことで、コストを抑えています。

 

 

ローコスト住宅のメリットとデメリットとは?

【Point】コストを抑えて工事期間も短いのが魅力!

 


ローコスト住宅の最大のメリットは、やはり価格が安いことです。多くの方が利用する住宅ローンにおいても、支払総額が小さくなる分、毎月の返済額はもちろん金利の支払いも少なくすることができます。

例えば住宅購入費用として1,600万円をローン借入したと仮定します。金利1.5%で35年で返済すると、1か月あたりの返済額は4万8,000円となります。同じ条件で4,000万円を借り入れした場合では、毎月9万1,000円を返済しなくてはなりません。

ローン返済額が減ることで家計に余裕が生まれます。よりクオリティの高い家具を購入できたり、子どもの養育費を充実させたりすることができます。

さらに、ローコスト住宅は完成までの工事期間が短いことが多く、約2~3ヶ月で完了します。これは特殊な建材や施工をしないこと、あらかじめカットされた材料だけを使えることなどが理由です。子どもの入学の関係でなるべく早く引っ越したい方にとっては、大きなメリットだと言えるでしょう。

一方で、いくつかのデメリットもあります。まず、耐熱、耐震、耐久、耐火、遮音性にこだわりにくい点です。もちろん安全に暮らせる最低限のクオリティは保たれていますが、高性能な住宅に比べるといずれも品質が高いとは言えません。

また、間取り、内装、建具などを自由に設定できないという面もあります。ローコスト住宅は同じような家をまとめて作ることで費用を抑えているので、細やかな希望に対応することはできません。決められている設備はいずれもグレードが低めなので、トイレやお風呂、キッチンの設備を変更する場合には追加でオプション費用を支払うことになります。

ローコスト住宅ではシンプルな間取りで壁をなるべく少なくするため、結果として冷暖房が効きにくいという事例もあります。これは実際に住んでみないとわからない盲点でしょう。

さらに、高品質な材料を使っていないことから、劣化しやすくメンテナンスのコストがかかる可能性も高くなります。建てる時の費用は抑えられても、先々に支払う金額が大きくなりやすい点には気を付けなければなりません。

アフターサービスの保証期間やメンテナンス対象範囲が小さく、いざ修繕しようと思っても保証範囲外だった、ということもあります。こうした失敗を避けるためには、購入の際に住宅メーカーに事前の内容確認が必要です。

ほかにも、よくある後悔として諸経費の見落としが挙げられます。坪単価でコストを考えて安いと判断したものの、屋外設備工事費など、建物本体の価格以外の費用がかさみ、結果として総額はあまり抑えられなかったという方は少なくありません。

土地の価格と建物本体の価格以外にも意外と大きなコストがかかるケースもあります。費用の全体像を理解し、どういった内容の支出があるのか事前に確認しておきましょう。

 

 

ローコスト住宅を購入しても後悔しない人とは?

【Point】ローコスト住宅には向き不向きあり、事前にしっかり検討が必要!

 


ローコスト住宅は、ライフスタイルに合わせてリフォームなどをしていくことを前提とすると、後悔しにくくなるかもしれません。夫婦二人で暮らし始め、子どもが生まれて家を出て、二世帯住宅になるといったように、生活と共に家も柔軟に変えていこうと考えてみてください。

そのためにも、目の前の生活だけでなく10年後、20年後の生活を見据える必要があります。一般的な住宅同様、長期的な視点を持てる方であれば、ローコスト住宅での満足度も高まります。

また、しっかりと取捨選択できる方もローコスト住宅の購入に向いています。「とにかく安くするためになんでも我慢する」のではなく、こだわりたい部分を決めて、それ以外は優先順位をつけていくことが重要です。何を大切にするかが明確になっていればコストダウンできるところが判断でき、後から「もっとこうすればよかった」と残念に思うことがなくなります。

さらに「支出を抑えて一戸建て住宅を購入する」という意味では、補助金や税金の優遇制度について調べてみるのも一手です。

住宅を購入するための補助制度は、世情に合わせていろいろな種類が用意されていきます。さらに市区町村によっては、他市からの引っ越しで移住助成金を受け取れる場合もあります。対象となるための条件や申請方法については難しい内容もありますが、これらをうまく活用するというのも費用を抑えるには有効です。

 

 

住宅メーカーに相談して、後悔せずにローコスト住宅を購入しよう

【Point】メリット・デメリットや特徴を理解してから購入を決めるべし!

 


ローコスト住宅を購入するとなると、ついつい「いかに安く家を買うか」にこだわりすぎてしまいます。しかし毎日過ごす場所だからこそ、購入した後に快適に過ごせるのかが非常に重要です。家族で楽しい日々を送れるよう、費用を抑えるところと、ある程度お金を払っても納得できるようにするところを見極め、取捨選択していくことが大切です。

しかし多くの方にとって家の購入とは初めての経験になるため、知識などに限界があります。とはいえ、ローコスト住宅のメーカーに「ローコスト住宅で気を付けるべきことはありますか?」とネガティブな質問はしにくいかもしれません。

そこで、住宅メーカーと違い客観的な立場でアドバイスができる「相談アドバイザー」にご相談ください。お客様が住宅に求めることや予算についてしっかりヒアリングし、どんな点に気を付ければよいかを一緒にチェックしていきます。直接住宅メーカーには聞きにくいことでも、第三者である相談アドバイザーには質問しやすくなると思いますので、ぜひご相談ください。

 

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