店舗兼住宅とは?店舗併用住宅との違いやメリット・デメリットなどを解説
家づくりの際、店舗を持つことを考えているのなら、店舗兼住宅を建てることも検討すると良いでしょう。しかし、店舗兼住宅を建てる際には気を付けなければいけないポイントがいくつかあります。そこで今回は、店舗兼住宅の特徴や、店舗併用住宅との違い、固定資産税や住宅ローンについて解説します。
店舗兼住宅とは?
Point 店舗と自宅を兼ね備えた住宅のこと
店舗兼住宅とは、店舗と自宅を兼ね備えた住宅です。例えば、美容院や飲食店、販売店、個人病院などが挙げられます。通勤時間や店舗の家賃が不要になるのは大きなメリットです。
間取りのポイント
店舗兼住宅を建てるなら、いくつか気を付けたい間取りのポイントがあります。
まず、来客しやすいように1階に店舗を配置すると良いでしょう。大きな窓や、窓付きのドアなどを設置すると、外から中の様子が分かりやすくなります。隠れ家のような店舗にしたい場合は、あえて中の様子を見せないこともあります。
また、店舗と自宅の入口を変え、来客用の駐車場の設置も検討します。入口や店内をバリアフリーにしておくと、車椅子や高齢の来客者も入店しやすくなります。
店舗併用住宅との違いやメリット・デメリット
Point 大きな違いは住宅内で行き来ができるかどうか
店舗併用住宅との違い
似たものとして店舗併用住宅があります。店舗や事務所、賃貸住宅などの事業部分と居住部分が融合し、1つの建物となっている住宅です。住宅内での行き来ができないことが大きな違いです。また、店舗部分は貸すことができます。
建築可能な用途地域が違う
店舗併用住宅との違いについて、建築基準法「法第48条の用途地域」も関係します。
店舗兼住宅は、ある条件を満たせば、用途地域の第一種低層住居専用地域内にも建てることができます。第一種低層住居専用地域については「第一種低層住居専用地域とは?制限やメリット・デメリットを解説」を参考にしてください。
店舗兼住宅・店舗併用住宅の固定資産税
Point 居住部分の面積によっては軽減措置を受けられる
固定資産税とは、土地や家屋などの固定資産にかかる税金です。固定資産の所有者はその資産価値に応じて算定された税額を固定資産が所在する市町村に納税する必要があります。
土地や家屋などの固定資産を所有している個人・法人が納税義務者で、固定資産税の計算方法は「固定資産税の評価額×標準税率1.4%」が基本です。
店舗兼住宅の固定資産税
店舗兼住宅では、居住部分の面積を2分の1以上にすると、一般住宅と同じ固定資産税の軽減措置を受けることができます。2024年3月31日を期限とし、新築戸建てにかかる固定資産税を3年間2分の1に減額されます。
店舗併用住宅の固定資産税
店舗併用住宅では、居住部分の面積に応じて固定資産税が課せられます。特例を受けるためには、居住部分が面積の4分の1以上であることが最低条件となります。住宅用地の率は、4分の1以上2分の1未満の場合は0.5%、2分の1以上の場合は1%となります。
店舗兼住宅を建てるまでの流れ
Point プランニングに時間がかかる
店舗兼住宅を建てるまでの流れは以下の通りです。
1. 計画
2. 土地探しと住宅メーカー探し
3. プランニング
4. 住宅ローン
5. 着工
6. 引き渡し、入居
7. 店舗の家具や什器などの搬入
8. 店舗オープン
店舗兼住宅と一般的な住宅を新築する場合を比較しても、全体の流れにそれほど違いはありません。そのため、店舗兼住宅を建てるまでの流れを知りたいなら「家づくりの流れが知りたい!家を建てようと思ってから入居するまでを徹底解説!」も参考になります。
ただし、店舗部分と居住部分の広さの配分や間取りなどは、プランニングの段階で十分に検討しましょう。店舗部分の水回りや設備など一般的な住宅より多くの検討事項があるため、余裕を持ったスケジュールを考えておきましょう。また、店舗の事業内容によっては家具や什器などの搬入が必要です。
住宅ローンは借りられるか?
Point 一定の要件を満たすと住宅ローンを借りられ、住宅ローン控除を受けられる
店舗兼住宅は、一定の要件を満たすと住宅ローンを借りることができます。一定の要件とは「店舗と自宅がドアなどで仕切られ、移動できること」「建物全体の延べ床面積が50平方メートル以上、かつ居住部分の面積が建物の2分の1以上」などです。
住宅金融支援機構や民間金融機関でも、建築基準法に適合する店舗兼住宅であれば住宅ローンを組むことができます。ただし、これらは居住部分の建設工事費が対象であり、店舗部分の工事費は融資の対象となりません。
店舗兼住宅の住宅ローン控除は「借入金合計 × 建物全体の面積に対する居住部分の面積の割合」で算出される居住部分の借入金を対象に適用できます。
まとめ
家づくりの際、店舗を持つことも考えているのなら、店舗兼住宅を建てることも検討すると良いでしょう。よく似たものとして、店舗併用住宅がありますが、それぞれ違いやメリット・デメリットがあるため、しっかり比較検討が必要です。
また、居住部分の面積によっては住宅ローンが受けられるため、広さや間取りはよく考えてください。
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