家の建て替えとは?リフォームとの違いや期間、費用などを解説


今住んでいる家が老朽化した場合や、設備や性能が優れている家に住みたい場合は、家の建て替えを検討することもあるでしょう。しかし、どういった流れで建て替えを進めるのか分からない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、建て替えとリフォームの違いや、期間や費用などを解説します。

建て替えとリフォームの違い

Point 基礎部分の工事が必要な場合は建て替えになる

建て替えとは

建て替えとは、既に建築されている家を解体および撤去し、新たに建築することを言います。今住んでいる家を解体および撤去することはもちろん、中古物件付きの土地を購入し解体後に自分が住む家を建てることも建て替えと表現されます。

リフォームとの違い

建て替えとリフォームの違いの1つとして、基礎部分の工事をするかしないかという点が挙げられます。建て替えは基礎部分を取り壊して新たに家を建築するのに対し、リフォームは基礎を残した状態で改築します。

 

また、建て替えは基礎部分を取り壊すため、仮住まいが必須となります。一方、リフォームの場合は大掛かりな改築工事でない時は住みながらリフォームが可能です。

 

 

 

建て替えのタイミングはいつ?

Point 築年数を目安にして建て替えタイミングを把握する

 

建て替えかリフォームのいずれの場合でも築年数を目安としたタイミングの把握が必要です。家の寿命は、木造の場合は30~80年程度、鉄筋構造・鉄骨コンクリート造の場合は30~90年程度が目安とされています。

 

建て替えとリフォーム、どちらがいい?

Point それぞれのメリット・デメリットを理解した上で考えるのが大事

建て替えのメリットとしては、新しいライフスタイルに応じた間取りや設備を見直せることや、耐震工事や断熱工事を行って家の性能を向上させられることなどが挙げられます。ただし、リフォームより費用が高くなり、工期が長くなります。

 

一方、リフォームは住み慣れた家の雰囲気を残せ、建て替えより費用が安く、工期が1~6ヶ月と短く済みます。

 

しかし、間取りやデザインなどの大きな変更をすることはできません。

 

建て替えあるいはリフォームのどちらを選ぶかについてはそれぞれのメリット・デメリットを把握した上で希望とタイミングに合った方法を選ぶようにしましょう。

 

家の寿命や、建て替えかリフォームのいずれを選ぶかの判断については「家の寿命は何年?新築時には寿命と費用のバランスを考えよう!」を参考にしてください。

 

建て替えのステップ

Point 希望条件の明確化から建て替え工事・引き渡しまで

 

建て替えが完了するまでにはいくつかの手順が必要になります。それぞれスムーズに進められるように、内容や流れを確認してください。

ステップ0. 希望条件の明確化

建て替えの前準備として、どのような家にしたいかの希望条件をまとめておきます。なぜ建て替えをするのか、今の家への不満なところを明確にし、どのような機能や設備を追加したら理想の暮らしを実現できるか考えます。一緒に暮らす家族と話し合い、すり合わせましょう。

ステップ1. 住宅メーカーの選定

重要なポイントである住宅メーカーの選定を行います。ネット検索や住宅展示場などを活用すると、地域で活動している住宅メーカーなど、多くの候補が見つかります。住宅メーカーの選定については「ハウスメーカーの選び方がわからない!?後悔しないための5つのポイントとは?」を参考にしてください。

 

また、当サイトを運営する「ウチつく」も活用してください。住宅メーカー選びにお困りの方へ、住宅専門のアドバイザーが直接カウンセリングを行います。

 

他には、友人や親せきなどで建て替えをした方がいれば、費用や流れを具体的に教えてもらっても良いでしょう。その中で、おすすめの住宅メーカーを紹介してもらうことができるかもしれません。

 

たくさんの住宅メーカーの中からいきなり1社を決める必要はなく、気になった数社に連絡をしてみてください。その際、なぜ建て替えをしたいのか、予算などを伝えます。そこでおおよその予算や内容、担当者との相性などを確かめると良いでしょう。

ステップ2. 敷地調査依頼

敷地調査依頼とは、家の敷地の形状や土地の高低差、既存の建物状況やガス管・水道管の敷設状況などを調べることです。現状を知ることで、必要な工事や適した建て替えプランなどが判断できます。

ステップ3. 間取り図作成と工事請負契約の締結

敷地調査の結果を基に、間取り図と見積書の作成を依頼し、どの住宅メーカーに工事を依頼するか決めます。間取りは、希望を満たしているか確認し、実現が難しい場合はその理由を聞きましょう。この時は、気に入った点や気に入らない点をできる限り理由を添えて担当者と共有すると双方が納得して進められます。

 

住宅メーカーを決める際は、単に金額だけで判断するのではなく、どのような保証が付いているか、入居までの期間はどのくらいになるのか、担当者との相性は良いかなど、総合的にみて考えてください。住宅メーカーとは、家が建ってからも長く付き合うことになるため、広い視野を持って検討しましょう。

 

そして、住宅メーカーを決めたら、間取りの細かい点を詰めて、工事請負契約を交わします。契約書には工事内容や金額、工事期間、引き渡しの時期、支払い方法などが明記されています。契約書類に本当に充分な内容が網羅されているか契約を交わす前に必ずチェックしましょう。

ステップ4. 建築確認申請書の提出

建て替え工事をするため、建築確認申請書を提出しなければいけません。これは工事が建築基準法や自治体の条例に違反していないことを受理してもらうためのもので、設計図書などと一緒に提出します。基本的には住宅メーカーが代理で行います。

 

申請後に間取りや設備を変更するのは難しく、内装クロスなどは後から変更しても問題ありませんが、例えば窓の位置や大きさを変更するためには再度申請作業を行う必要があります。費用と時間がかかることになるため、注意が必要です。

ステップ5. 住宅ローンの契約

建て替えの費用を借り入れる場合は、住宅ローンを申請します。今の住まいを購入した際のローン返済が終わっている方は通常の住宅ローンを、まだ残っている方は建て替えローンや住み替えローンを利用します。

 

住宅ローンの契約は、費用が固まった段階で事前審査を申し込みます。事前審査が通ったら、住宅メーカーと工事請負契約を締結し、その後に本審査を申し込んで正式に審査を受けます。本審査が通れば、契約となります。

 

ちなみに、建て替えにかかる費用は一括で払わず、通常3回ほどに分けて支払います。資金が必要なタイミングは3回あるため、ローンはどの段階で振り込まれるか確認しておきましょう。

ステップ6. 建て替え工事・引き渡し

工事請負契約や住宅ローン契約を交わした後、工事を開始します。工事中は今住んでいる家を解体するため、仮住まいへの引っ越しが必要です。引っ越しが完了したら解体工事が始まり、必要に応じて地盤改良工事を行います。その後、住宅の新築工事を行い、完成したら引き渡しという流れになります。

建て替えの実施期間

Point 住宅メーカーが決まったら半年から8ヶ月ほどで完了する

 

ステップ1「住宅メーカーの選定」からステップ3「間取り図作成と工事請負契約の締結」までは、どのくらいの時間をかけるかは人によって様々です。住宅メーカーが決まってからは、下記のようなスケジュールで進むことが多いです。

 

住宅ローンの事前審査:1週間

住宅ローンの本審査:3週間

解体工事:2週間(木造)~1ヶ月(鉄骨・鉄筋コンクリート造)

地盤改良工事:1週間

住宅建築工事:4~6ヶ月

建て替えに必要な費用と補助金

Point 補助金は各自治体によって異なるため確認する

 

建て替えの際は、以下のような費用がかかります。30坪を例にした場合、必要な費用の目安も併せて記載します。

 

解体費用:150万円(木造)、210万円(鉄骨造)、240万円(鉄筋コンクリート造)

現在建っている住宅を解体するための費用。

 

建物本体費用:2,500万円

新しい建物を建てるのにかかる費用。大きさや設備によって大幅に変動する。

 

敷地調査費用:5~10万円

家の敷地の形状や土地の高低差、ガス管・水道管の敷設状況などを調べるための費用。住宅メーカーによっては無料の場合もある。

 

地盤改良費用:60万円(表層改良工法)、90万円(柱状改良工法)、180万円(鋼管杭工法)

地盤調査の結果、必要だと判断された場合に発生する費用。土を強化したり、地中にコンクリートの柱を作ったりする。

 

建物滅失登記費用:5万円

建物を取り壊す際、法務局の登記簿謄本に記載するのに発生する費用。

 

登録免許税:18万円

新築した建物の所有権を登記するための費用。

 

不動産取得税:60万円

新築した住宅に対して支払う費用。

 

固定資産税・都市計画税:35万円・7万5,000円

所有不動産にかかる費用。

 

印紙税:2万円

業者との契約書に貼り付ける印紙のための費用。

 

仮住まい費用:50万円

建て替え工事中に住む住宅の費用。家賃のほか、敷金や礼金、仲介手数料などが発生する。

 

引っ越し費用:7万円

現在の住宅から仮住まい先へ、仮住まい先から建て替えた新築住宅への2回引っ越しが発生する。

補助金

家の建て替えの際に利用できる補助金があり、自治体によって名称が異なる場合や、実施していない地域もあります。

建て替え建設費の補助金

老朽化した家を除却し、一定の基準を満たす家を新たに建築する施主に、解体費用をはじめ、建築費用の一部が補助される制度です。

建物解体費用の補助金

大規模な地震等に伴い発生する火災に対して、住民の安全性の確保を目的に準耐火・耐火建築物以外の木造建築物を解体する場合などに補助されます。

ブロック塀の解体費用の補助金

倒壊の恐れのあるブロック塀を解体する際の費用の補助金です。ブロック塀の長さや工事費用に対して一定の割合が設定されており、上限があります。

 

法的に建て替えができない家がある

Point 再建築不可物件、既存不適格建築物がある

 

建て替えを検討する上で知っておくべきこととして、法的に建て替えができない家があるというケースを解説します。それらのケースは「再建築不可物件」や「既存不適格建築物」と呼ばれます。

再建築不可物件

再建築不可物件とは、今建っている家を解体して更地にすると、新たに家を建てられない土地です。

 

建築後、現在の建築基準法の規定を満たさないため、再建築不可物件となることがあります。建築基準法上の道路と全く接していない土地や、幅員が狭い場合などが当てはまります。ただし、リフォームはできる土地もあります。

 

既存不適格建築物

既存不適格建築物とは、建築基準法や都市計画法に適合していない建物です。

 

建築後、建築基準法や都市計画法が変わり、既存不適格建築物になることがあります。例えば、道路拡張のためにセットバックが必要になったり、その地域の建ぺい率や容積率が変更になったりすることがあります。

 

建て替えの際は、現在の法律に適用させる必要があるため、今の場所に同じ大きさの建物が建てられるとは限りません。自治体の窓口に問い合わせると良いでしょう。

 

建て替えで失敗しないために

Point 最新の設備や断熱性能も検討して暮らしやすい間取りにする

 

建て替えする際は、最新の設備や断熱性能なども検討し、快適な家づくりを考えることが重要です。自身の希望に合った設備や間取りをしっかり検討し、計画を進めましょう。

 

失敗しないために気をつけるポイントについては「【具体例あり】注文住宅で失敗したくない!何に気をつけたらいいの?」を参考にしてください。

 

また、間取りについては「【間取りでの失敗例掲載】間取りで失敗してしまったと後悔をしないためにはどうしたらいい?」も参考になります。

まとめ

建て替えとは、既に建築されている家を解体および撤去し新たに建築することを言います。家の建て替えを考える際はリフォームする場合と比較検討し、適切な方を選びましょう。中古物件付きの土地を購入し、解体後に自分が住む家を建てることもできます。

建て替えすることを決めたら、全体の流れやかかる期間、費用などを確認しましょう。特に長い付き合いとなる住宅メーカー選びは重要です。

 

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