勾配天井とは?メリット・デメリット、費用などを解説


家づくりを考えていくと「勾配天井」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。その名の通り、勾配のある天井のことなのですが、どういった特徴があるかご存じでしょうか。今回は、勾配天井のメリット・デメリット、費用や一緒に考えたい照明について解説するので、ぜひ家づくりの参考にしてください。

勾配天井とは

Point 傾斜をつけた天井のこと

 

勾配天井とは、傾斜をつけた天井のことです。屋根の傾斜や形状に合わせて作ることが多く、通常ならば屋根裏になるスペースを部屋の一部として使うこともできます。

 

2階のリビングや居室、2階部分がない1階の空間に作られることが多いです。大きく分けると、一方向に傾斜をつける片流れと、二方向に傾斜をつける三角屋根があります。

吹き抜けとの違い

勾配天井と混同しやすいものとして、吹き抜けがあります。どちらも天井が高くなり空間が広くなる点では同じですが、吹き抜けは、上階の床と下階の天井を設けず、ひとつの空間にしたものです。

勾配天井のメリット

Point 開放感が生まれ、高い位置に窓を設置できる

開放感が出る

勾配天井を採用することにより、部屋の床から天井までの高さを上げることができます。場合によっては約1.5倍高くすることもできるため、開放感を感じられます。

高い位置に窓が設置できる

勾配天井にすると、部屋の高い位置に窓を設置することができます。通常の高さの窓だけでなく、高い位置に窓を作ることで、より自然光を取り入れやすくなります。

 

デザインの幅が広がる

構造の梁をあえてデザインとして見せ、飾り梁を付けることで家づくりの楽しみの幅が広がります。

 

また、天井を壁よりも明るい色のクロスにしたり、壁の一面をアクセントウォールにしたり、天井を板張りにして斜めのラインを強調したりすると、空間の形が分かりやすくなり、より部屋を広く見せることができます。

ロフトを作ることもできる

敷地の広さから、もう1つ部屋を作るのが難しい場合でも、天井勾配を利用して、ロフトを作ることもできます。リビングと繋がる形でロフトを作ると奥行きが生まれます。

防犯性の高い窓が設置できる

窓が多いと光と風を取り込みやすいですが、同時に窓の高さや立地によっては外からの視線が気になります。家の中の様子が外から見えるのはプライバシーや防犯の観点から避けたいです。その点、勾配天井にして高窓を設置すると、視線を遮ることができます。

通気が良くなる

空気は暖められると上に、冷やされると下に流れます。そのため、高窓と腰窓を開けていれば、室内の暖かい空気が天井付近に集まって高窓から外に抜け、同時に腰窓から新鮮な空気が入ってくることになります。窓の開け閉めにより、風の通り道を作ることができるため、部屋の空気が動き、通気が良くなります。

 

 

 

勾配天井のデメリット

Point メンテナンスが手間になり費用が高くなる

メンテナンスの際に費用が高くなる

勾配天井は一般的な天井よりも高くなるため、照明を取り付ける場所が高くなります。そのため、電球交換の時に脚立が必要になります。

 

最近ではLED電球が普及し、電球交換の頻度は減りましたが、特に高齢になると脚立を使って電球交換するのは大変です。また、勾配天井が非常に高い場合は、ハウスメーカーや工務店に依頼しなければいけないこともあります。

 

他には、窓を高い位置に設置することでカーテンやロールスクリーンの開閉をどうするかという問題が出てきます。手が届かない位置の場合、電動式カーテンを付ける方が多いですが、故障の恐れがあります。シーリングファンが故障した際も同様で、修理することになり、足場を組む必要があると、足場代で5~10万円程度かかることもあります。

掃除の手間がかかる

シーリングファンや梁の上の掃除に手間がかかります。脚立を使って掃除をすることになりますが、足場が安定せず危険なため、掃除をするのが億劫になってしまうでしょう。

冷暖房の効率が下がる

勾配天井にすると、部屋の容積が増え、冷暖房の効率が下がってしまいます。そのため、シーリングファンを導入する必要性が出てきます。暖かい空気は上に行くため、シーリングファンを取り付けることで、天井付近に集まった空気を循環させることができます。

勾配天井の費用

Point 1坪あたり約3~5万円が相場

 

勾配天井の費用は、1坪あたり約3〜5万円が相場です。ただし、住宅メーカーによって差が生じるため、担当者と相談してください。

 

また、勾配天井にする場合、シーリングファンや電動開閉式カーテン、能力が高いエアコンの導入も検討することになります。

勾配天井は効果的な照明でお洒落に

Point 照らす向きやタイプが異なる照明器具を組み合わせて空間に奥行きを出す

 

勾配天井の場合、照明付きのシーリングファンを付けることもありますが、明るさが足りない場合は、他にも照明器具を付けることがあります。

 

よりお洒落に見せるなら、照らす向きやタイプが異なる照明器具を組み合わせるのがおすすめです。例えば、上向きのライトと下向きのライトを組み合わせると、部屋がすっきり明るくなります。

 

他には天井や壁に光を当てて、その反射で部屋全体を明るくする間接照明と手元を明るくするペンダントライトやスタンドライトを併用するのもおすすめです。部屋の中で明るい部分と暗い部分があると、空間に奥行きが出ます。

まとめ

勾配天井は、開放感が出て、高窓を設置することにより部屋を明るくすることができます。梁をデザインして空間のアクセントにし、照明にもこだわると奥行きや雰囲気が出ます。

 

ただし、メンテナンスや掃除に手間や費用がかかることがあるため、後悔のないようメリット・デメリットを考慮した判断が必要です。

 

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