注文住宅は頭金なしで建てることができる?費用と平均金額などを解説
注文住宅を建てる場合、かつては物件価格の2割程度の頭金は最低限必要だと言われましたが、最近では頭金なしのフルローンを選ぶ方も出てきました。しかし、その方法は注文住宅を建てる際は避けるべきとされています。今回はその理由や、一般的な頭金の金額などを解説します。
注文住宅は頭金なしでも建てられる?
Point 頭金なしでも注文住宅を建てることはできる
頭金とは、最初に支払うある程度のまとまった金銭のことを言います。最近では、頭金なしでも注文住宅を建てることができるようになりました。
以前は注文住宅を建てる場合、物件価格の2割程度は頭金として用意する必要がありました。これは購入価格の7~8割程度までしかローンを組めないという条件があったためです。
しかし、ネット銀行が勢いを増し従来の銀行との競争が激しくなったことなどから、競争上の差別化をするために頭金なしのフルローンを組める銀行も出てきました。結果として、頭金なしでも注文住宅を建てることが可能になったのです。
頭金なしのフルローンを避けたい理由
Point フルローンには3つのデメリットがある
金融機関によっては頭金なしのフルローンを組むことができますが、あまりおすすめできる方法とは言えません。この理由を3つのデメリットを挙げて解説します。
住宅ローンの審査が通りにくくなる
頭金がない場合、住宅ローンの審査は頭金ありの場合よりも厳しくなります。審査では継続的かつ安定的な収入が見込めるか、年収に対して借入金額が妥当かなどがチェックされます。
万が一、住宅ローンが支払えなくなると金融機関は土地や建物などを競売にかけることがあります。この時、頭金のない住宅ローンは売却する土地や建物の値段より高くなってしまうリスクがあるため、慎重に判断されるわけです。
また、住宅ローンの借入金額が増えるため、毎月の返済が困難となることが懸念されることも審査が厳しい傾向になっている理由の1つです。
年間の返済額が年収の何割を占めているのかを表す返済負担率は25~35%以内だと無理が生じにくいと考えられています。
利息の負担が増える
頭金なしで住宅ローンを組むと借りる金額が多くなり、支払う利息が増えます。また、金融機関によっては、全体に占める頭金の割合で金利が異なることもあります。たとえばフラット35では融資率(借入金額を建築価格あるいは購入価格で割った比率)が購入価格の9割以下と9割超では金利が変わります。
完済期間が長く、担保割れの恐れがある
頭金なしのフルローンにすると、担保割れを起こす恐れがあります。担保割れとは、土地や建物などの不動産の担保評価額が、その不動産を担保に借りた住宅ローンの残高より少なくなっている状態のことを言います。
一般的には、築年数が古くなるほど住宅の価値が下がっていきます。頭金なしのフルローンで注文住宅を建てると、完済するまでの期間が長くなり、住宅の価値が下落する方が早くなることもあります。
担保割れによってこのようになってしまった場合、仮に土地や建物を売却して支払おうとしても住宅ローンを完済することができないかもしれません。
フルローンで返済できる見通しがあるのか?
Point 頭金がそろえられない状況で注文住宅を建てるか再考しよう
そもそも頭金なしのフルローンで返済できる見通しがあるのか、きちんと判断しなければいけません。
前述の通り、フルローンを組むと利息の負担が増えます。
加えて、生活費や教育費、自動車のローン返済なども考えると、想定している以上に支出が収入より多くなってしまうこともあります。
一般的な頭金の金額とは?
Point 頭金は購入金額の8~18%程度
2021年度フラット35利用者調査によると、一般的な注文住宅の頭金の金額は596.6万円で購入金額に対する割合は16.7%となっています。
2020年度と比較して頭金は22.4万円減少し、割合は1.2%増加しています。
まとめ
以前は、物件価格の少なくとも2割程度は頭金として用意する必要がありましたが、最近では頭金なしのフルローンを組める銀行も出てきました。
しかしながら、頭金なしのフルローンはできるだけ避けるべきとされています。ローンの審査が通りにくくなることや利息の負担が増えること、担保割れを起こした場合のリスクが潜んでいることが理由として挙げられます。また、リスクの把握はもちろん、頭金なしのフルローンで完済できる見通しがあるのかもきちんと見定めなければいけません。
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