家の寿命は何年?新築時には寿命と費用のバランスを考えよう!
これから家を建てたい方、もしくは長年同じ家に住んでいる方の中には、「家の寿命は何年くらいなのだろう」と疑問に思う方もいるでしょう。
家の寿命を知っておくことは今後のライフプランを立てる際に役立ちます。今回はそんな家の寿命について解説します。
家の寿命とは
Point 家の寿命の定義はない
家の寿命について、木造住宅は30年~80年程度、鉄筋構造・鉄骨コンクリート造は30年~90年程度が寿命の目安とされています。ですが、いずれもあくまで目安であり、寿命の定義は統一はされていません。
また、耐用年数に近い数字を寿命として紹介されるケースもあります。
耐用年数 |
木造住宅 |
鉄骨造 |
RC造 (鉄骨コンクリート造) |
22年 |
34年 |
47年 |
ただし、耐用年数はあくまで法定耐用年数であり、耐用年数=家の寿命になるとは限りません。家の物理的寿命は耐用年数よりも長く、実際に築100年以上の木造住宅をリノベーションして住む方もいます。
このように家の寿命の定義が難しいのが実情です。
日本の家の寿命は短い?家の平均寿命は?
国土交通省住宅局監修の「長持ち住宅の手引き」によると、日本の住宅の利用期間は平均30年とされています。これはアメリカの55年、イギリスの77年と比べると短い数字です。この要因の一つとして、日本人がアメリカ人・イギリス人と比べて、新築志向が強いことが挙げられます。
また、他の国土交通省の参考資料によると、木造家屋の平均寿命は65.03年(2011年調査)と紹介されています。この数字は2006年調査の54.00年、1997年調査の43.53年と比べても伸びている傾向です。
このように調査する年によっても異なる家の寿命ですが、さまざまな資料を参考にすると、おおむね木造住宅は30年~80年程度、鉄筋構造・鉄骨コンクリート造は30年~90年程度が寿命の目安となるでしょう。いずれも参考程度に把握しておきましょう。
参考:
長持ち住宅の手引き|財団法人ベターリビング 国土交通省住宅局監修
新築の際に考える寿命と費用のバランス
Point 建築前に寿命と費用のバランスを考えるのは至難の業
新築の住宅を建てる際に考えたいのが、最初の費用は高くとも平均寿命の長いRC造
(鉄骨コンクリート造)か、それとも平均寿命は短いが費用の安い木造住宅を選ぶのか、という問題です。「建築着工統計調査(2022年8月調査)」によると、1平方メートルあたりの工事費予定額は以下の通りになります。
工事費予定額 (坪単価) |
木造住宅 |
RC造 (鉄筋コンクリート造) |
約58万4,000円 |
約91万4,000円 |
坪単価で見ると、両者には約31万円の差があります。仮に40坪の新築住宅を建てるとして、その差は1,200万円以上です。
つまり、木造住宅を1,200万円で建て替えもしくはリフォームすることで、RC造よりも寿命が延びれば、木造住宅の方がお得ということになります。
ただ、リフォーム費がどのくらいになるかはリフォームの内容次第です。例えば築30年の木造住宅のリフォーム費用は500万円~2,000万円とも言われており、1,200万円で足りるかどうかは微妙なラインと言えるでしょう。
このことから、条件次第では木造住宅・RC造のいずれであっても他方に比べて全体費用がかかってしまう可能性があることがわかります。裏を返せば、あくまでライフプランに沿って好きな構造の住宅を建てても良い、と言えるかもしれません。
建て替えかリフォームか?
Point 間取りからガラリと変えたいなら建て替え、家の雰囲気を残したいならリフォーム
住宅は建築されてから時間が経つほど劣化してしまいます。家の寿命について考えたときに、より長く家に住むために、建て替えかリフォームのどちらを選択するべきか迷う方も多いでしょう。ここではそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
建て替えのメリット
- 新しいライフスタイルに応じた間取りや設備を見直せる
- 耐震工事や断熱工事を行い、家の性能を向上させられる
建て替えの大きなメリットが、新しいライフスタイルに応じて家自体を見直せることです。「子どもが独り立ちして子ども部屋が必要なくなった」「両親も住むことになり、部屋数が足りなくなった」など、家に対するニーズは年々変化するものです。建て替えであればこうしたニーズに沿った家を一から建てることができます。とくに現状の家に不満がある方にとっては大きなメリットでしょう。
また建て替え時には基礎工事も行うため、耐震工事ができるほか、断熱工事も行うことで家の性能自体を底上げすることも可能です。
建て替えのデメリット
- リフォームよりも費用が高い
- 工期がリフォームより長く、引っ越しが2回必要
- 希望通りの家を建てられない、もしくは建て替えができない可能性がある
建て替えは、解体後に新築の家を建てることになるため、どうしても数千万円の費用はかかってしまいます。仮にリフォーム費用が1千万円だとしても、何倍かの費用がかかる計算です。
また、工期が長く、施工期間が建物によっては1年以上になるケースもあります。そのため、仮住まいの家に引っ越したあとに、建て替え後の家に引っ越す必要があり、費用もかかってしまいます。
さらに建築基準法が改正されたことにより、以前よりも小さな家を建てなければならない、もしくは建て替え自体ができない可能性がある点も頭に入れておきましょう。
リフォームのメリット
- 住み慣れた家の雰囲気を残せる
- 建て替えと比べて費用が安い
- 工期が1~6ヵ月程度と短い
リフォームのメリットは、気になる箇所をピンポイントで変えられるので、これまで住んできた家の雰囲気を残したまま、綺麗に改修することができます。またリフォームは引っ越しの必要がなく、建て替えと比べて施工費用自体も安いため、支出を抑えることもできます。
リフォームのデメリット
- 間取りやデザインなどの大きな変更はできない
- 追加工事が発生し、予定よりも費用が高くなることもある
リフォームは新築時の状態に近づけることが目的のため、間取りやデザインの大きな変更はできません。具体的には部屋数を増やすことができないほか、壁を壊してリビングを広くできない事もあります。
また一部だけリフォームをしようと思っても、例えば土台や柱など構造部分が劣化している場合には、追加工事が必要になるため、思っていたよりも費用が高くなる恐れもあります。
まとめ
家の寿命は構造によって異なります。また、家の寿命という観点で費用面を考えると、新築時に木造かRC造か、どちらがお得なのかはなかなか判断は難しいです。そのため、寿命と費用だけでなく、家族の希望が詰まった注文住宅を建てるのも有効な選択肢でしょう。
また、家により長く住むためには、建て替えもしくはリフォームをする必要があります。家族構成やライフスタイルの変化により間取りをガラリと変えたい方は建て替えが、費用を抑えつつ家の雰囲気を残したい方はリフォームがおすすめです。
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