防音室とは?費用相場や注意点を解説!施工実績のある住宅メーカーを選ぼう
「室内で心置きなく楽器を演奏したい」や「静かな環境でテレワークをしたい」など、さまざまな理由から防音室のある家の建築を検討している方も多いでしょう。防音室を設置することで、音漏れや騒音を抑えることができます。今回は注文住宅で防音室を作りたい方向けに、防音室の意味や設置方法、費用相場などをご紹介します。
防音室とは
Point 防音室は音漏れ・騒音対策のため、四方の壁と天井・床を防音材で囲んだ部屋
防音室とは防音材で囲まれ、室内から室外への音漏れや室外からの騒音を抑える部屋のことです。防音室は例えば、部屋の中で楽器の演奏や、歌の練習をする人が、室外へ音を漏らして迷惑を掛けないようにする目的で使用されます。また最近は室外からの音を遮断し、テレワークに集中するために防音室が設置されるケースもあります。
dB(デシベル)ごとの騒音レベルは?
防音室は音漏れや騒音を防ぐための部屋ですが、それでは日常生活で感じる騒音のレベルはどの程度なのでしょうか。以下、環境別にdbと騒音レベルをまとめました。なお、騒音の大きさはdB(デシベル)という単位で表され、その数字が大きければ大きいほど、音が大きいことを意味します。
dB(デシベル) |
環境 |
騒音レベル |
120dB |
飛行機のエンジンの近く |
聴力機能に障害が及ぶ |
90~100dB |
地下鉄の構内 |
極めてうるさい |
90dB |
大声による独唱 |
|
70~80dB |
パチンコ店の店内 |
うるさい |
60dB |
普通の会話 |
普通 |
40dB |
図書館 |
静か |
参照:dB(デシベル)について|株式会社東京環境測定センター
防音室の必要なスペック
Point 遮音性能は「D値」で表し、D値が大きいほど防音室としてのスペックが高い
防音室と一言で言っても、遮音性能のスペックは異なります。遮音性能は「D値」で表され、D値は大きければ大きいほど、遮音性能が高いことを意味します。以下、D値の目安と遮音性能を抜粋してみました。
D値 |
遮音性能 |
D-65 |
ピアノ・ステレオなど大きな音は通常聞こえず、TVや一般的な会話も聞こえない |
D-60 |
ピアノ・ステレオなど大きな音はほとんど聞こえず、TVや一般的な会話は聞こえない |
D-55 |
ピアノ・ステレオなど大きな音がかすかに聞こえるが、TVや一般的な会話は通常聞こえない |
D-50 |
ピアノ・ステレオなど大きな音は小さく聞こえるが、TVや一般的な会話はほとんど聞こえない |
D-45 |
ピアノ・ステレオなど大きな音がかなり聞こえ、TVや一般的な会話はかすかに聞こえる |
D-40 |
ピアノ・ステレオなどから流れる曲がはっきり聞こえ、TVや一般的な会話が小さく聞こえる |
出典:防音性能の指標・D値って何?Dr値との違いや等級の目安|テクセル SAINT
また楽器を演奏するのか、テレワークをするのかなど防音室を利用する目的や家自体のもつ遮音性能の差によっても、防音室に求めるスペックは異なります。上記を参考に、住宅メーカーと相談しながら防音室のスペックを算出しましょう。
防音室を設置する際の設計手法
Point 防音室には組み立て式のユニットタイプとオーダーメイドの2種類がある
ユニットタイプ
ユニットタイプは、室内に四角い小屋を指定の場所で組み立てるタイプの防音室です。ユニットタイプは組み立て式のため施工日数が短く、また分解して移動できるため、引っ越し先にも設置できる点が特徴です。
一方、遮音性能が想定よりも低かった場合に性能を上げる工事の実施が難しいほか、エアコンを設置できない場合もあります。加えて、デッドスペースができてしまうため、設置にあたりある程度の広さが必要です。
オーダーメイド
防音室はオーダーメイドで設計・設置するタイプもあります。オーダーメイドでは、部屋の広さ・天井の高さなどに合わせて、既製品では難しい最適なサイズの防音室を設けられます。加えて、デザイン性が高いほか、隣の家と接する壁には遮音性能の高い材料を使うといった融通も利きやすく、用途に応じた遮音性能の部屋を作れるのもメリットです。
一方、ユニットタイプの防音室に比べると、高価格なケースが多い点がデメリットになります。
「性能を重視した防音室を作りたい」「防音室で失敗するリスクを減らしたい」という方はオーダーメイドがおすすめです。
防音室の費用相場
Point 費用相場はユニットタイプ(1畳程度)で20万円以上、オーダーメイド(34,5畳程度)で1200万円以上
以下、防音室を設ける場合の費用相場を部屋の大きさ別にまとめてみました。ただし、防音室の費用相場は、部屋の大きさやグレード、施工方法、メーカーによっても異なりますので、参考程度に押さえておきましょう。
部屋の大きさ |
ユニットタイプ費用 |
部屋の大きさ |
オーダーメイド費用 |
0.8畳~1.2畳 |
50万円~ |
4.5畳程度 |
210万円~ |
2畳~2.5畳 |
85万円~ |
6畳程度 |
230万円~ |
3~3.5畳 |
100万円~ |
8畳程度 |
260万円~ |
3.7畳~4.3畳 |
125万円~ |
10畳程度 |
300万円~ |
正確な費用を知りたい方は、複数の住宅メーカーに要望を伝え、相見積もりを取ることをおすすめします。
注文住宅で防音室を設置する際の注意点
Point 施工実績の豊富な住宅メーカーに依頼する
最後に注文住宅で防音室を設置する際の注意点を確認しておきましょう。
施工実績の豊富な住宅メーカーを選ぶ
防音室は住宅メーカーが取り扱う標準的な設備ではありません。そのため、防音室作りのノウハウが少ない住宅メーカーもあり、想定よりも遮音性能の低い防音室ができあがってしまうケースもあります。その場合、リフォームが必要となり、余計なコストがかかってしまいます。注文住宅で防音室を作る際には、住宅メーカーの施工実績をチェックしましょう。
音漏れだけでなく、室内の音の響きにも着目する
防音室というと、いかに音漏れを防ぐかに目が行きがちですが、防音室で楽器を演奏する方は室内の音の響きもポイントです。残響時間が長過ぎると、不快に感じたり、音を正確に捉えることができないためです。
楽器により、適切な残響時間は異なります。防音室を設ける際には、どの楽器を演奏するのかを住宅メーカーに伝え、心地よい響きを実現できる部屋を作るようにしましょう。
まとめ
防音室は楽器演奏部屋としてはもちろん、テレワーク用の部屋などさまざまな用途で利用できます。防音室はユニットタイプとオーダーメイドの2種類があり、費用面は求める性能によって異なるため、どちらのタイプで作るのかを検討しましょう。
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