スマートハウスとは?ZEHとの違いは?メリット・デメリットも


家づくりを検討してさまざま調べていると、スマートハウスという言葉を目にすることがあります。なんとなく想像できるものの、スマートハウスとは一体どのような家なのでしょうか。

 

またスマートハウスと似た「スマートホーム」や「ZEH」などの言葉もあり、混同してしまう人もいるかもしれません。

 

今回はスマートハウスの基本情報やメリット・デメリット、似たような名称との違いについて解説します。

 

スマートハウスとは

Point ITを活用し、消費エネルギーを最適化する家

 

スマートハウスとは、「IT(情報技術)により消費エネルギーを最適に制御する家」です。太陽光発電システムや燃料電池などを備え、エネルギーを自給自足し、無駄なく使用できるのがスマートハウスの特徴です。また、スマートハウスでは太陽光発電システムなどで作った電力を蓄電池に貯めて、夜間に使用することもできます。そんなスマートハウスに欠かせないのが「HEMS(ヘムス)」というシステムです。

 

  • HEMS:エネルギーの見える化および最適化を実行するシステム

 

HEMSにより、期間別・部屋別・機器ごとの使用量を詳細に把握できるようになるほか、効率的なエネルギー消費が可能となり、消費電力を抑える効果が期待できます。

 

このようにエネルギーを賢く(スマートに)利用できる家がスマートハウスです。

スマートハウスのメリット

Point 最大のメリットは光熱費を削減できること

 

スマートハウスの具体的なメリットを3つ解説します。

光熱費を削減できる

スマートハウスは太陽光発電システムや燃料電池といった住宅設備で自家発電が可能です。通常は電力会社から電気を買う必要がありません。加えて、HEMSによって無駄なエネルギー消費を抑えることができ、光熱費を削減できます。

 

また、「固定価格買取制度(FIT)※」を利用すれば、太陽光発電システムなどで発電した再生可能エネルギーを、電力会社に一定価格で買い取ってもらうことも可能です。

 

※固定価格買取制度:再生可能エネルギーを電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度

災害時でも電力を確保できる

スマートハウスでは太陽光発電システムで作った電力を蓄電池に貯めておけます。地震や台風など災害時には貯めた電力をバックアップ電源として使用することもできます。頻度は多くないかもしれませんが、いざという時の備えになるでしょう。

 

補助金を受けられる可能性がある

住んでいる自治体によってはスマートハウスを建てる際に補助金を受けることができます。例えば、神奈川県川崎市では以下が対象です。

 

対象システム等

補助金額

太陽光発電システム

出力1kWあたり2万円(上限10万円)

エネルギー管理装置(HEMS)

1万円

家庭用燃料電池システム(エネファーム)

3万円

定置用リチウムイオン蓄電システム

容量1kWhあたり1万円(上限10万円)

募集期間:2022年4月5日(火)~2023年1月31日(火)

引用:令和4年度 「スマートハウス補助金」(個人住宅)|川崎市

 

補助金制度の有無および内容については、各自治体のWebサイトのチェックや問い合わせをして確認しましょう。

 

 

スマートハウスのデメリット

Point 太陽光発電システムの導入だけで高額の初期費用が必要

 

スマートハウスのデメリットを2点確認しましょう。

初期費用が高い

太陽光発電システムやHEMSなどのシステムを導入するスマートハウスは、通常の家と比べて初期費用が高くなります。

 

例えば太陽光発電システムについて、経済産業省の「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」によると、2021年設置の平均値は28万円/kWでした。仮に5kWの太陽光発電システムを設置するとなると、140万円の設置費用がかかることになります。また、HEMSも10万円~30万円ほどの費用がかかります。

 

点検やメンテナンス・修理が必要

スマートハウスの各設備は定期的なメンテナンスや修理が必要です。購入後も費用がかかることを覚えておきましょう。

似たような名称との違い(ZEH・IoT住宅・スマートホーム)

Point ZEH・IoT住宅・スマートホームとは目的や視点などが異なる

 

スマートハウスと似たような名称にZEH・Iot住宅・スマートホームがあります。それぞれの用語の意味とスマートホームとの違いをしっかり理解しましょう。

ZEHとの違い

「ZEH(ゼッチ)」とスマートハウスの意味はそれぞれ以下のとおりです。

 

  • ZEH:断熱×創エネ×省エネで、家のエネルギー収支をゼロ以下にする家
  • スマートハウス: ITの活用により、エネルギーを賢く使う家

 

ZEHは全使用エネルギーを自家発電でまかなうことに対し、スマートハウスはITを使い、省エネ・エネルギーの有効活用を行うことを意味します。

 

ZEHについては「ZEHとは?メリット・デメリットや気になる補助金制度について解説」にて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 

 

IoT住宅との違い

「Iot住宅」とスマートハウスの意味はそれぞれ以下のとおりです。

 

  • IoT住宅:さまざまなモノをインターネットでつなぐIoT(Internet of Things)技術やIoT機器を取り入れた家
  • スマートハウス:ITを活用し、消費エネルギーを最適化する家

 

IoT機器を導入することで家電の遠隔制御やモニタリングなどを行い、より便利な生活を実現するのがIoT住宅です。一方、スマートハウスはエネルギーの最適化・省エネを行う家のことです。ただし、省エネに取り組むためにはIoT機器の導入が不可欠になる可能性が高く、将来的には両者の区別がより曖昧になる可能性があります。

 

スマートホームとの違い

「スマートホーム」はスマートハウスとよく似た言葉ですが、それぞれ意味は以下のとおりです。

 

  • スマートホーム:IT化により、便利で快適な生活を実現する家
  • スマートハウス:ITを用いて、消費エネルギーの最適化や省エネをする家

 

「スマートホーム」はIT化による利便性を目指しているのに対し、スマートハウスは「省エネ」を目的とした家を意味しています。

 

まとめ

スマートハウスは初期費用が高くなる恐れがありますが、自治体によっては補助金を受けることが可能です。また、スマートホームで生活をすると、光熱費を削減したり余った電力を売ることができるなど、生活費の観点からメリットがあります。

 

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