建築時に必須の地盤調査とは?一般的な工法や費用感を解説


新築時や建て替え時に法律で義務付けられている「地盤調査」。なんとなくイメージは付くものの、「地盤調査って何?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

 

地盤調査にはさまざまな種類があり、費用も異なるため、事前によく理解しておくことが重要です。そこで今回は地盤調査について、意味や一般的な工法、費用感などについて解説します。

地盤調査とは

Point 地盤調査とは、家を安全に支えることができるか地盤の強度を測る調査

 

地盤調査とは土地が家を安全に支えることができるか、地盤の強度を測る調査のこと。軟弱な地盤の上に家を建ててしまうと、家が傾いたり、地盤沈下の恐れがあります

地盤調査は新築・建て替え問わず、法律で行うことが義務づけられています。また、地盤調査の結果によっては地盤改良工事が必要になるケースもあります。

 

地盤調査の種類

Point 一般的な地盤調査の方法に、スクリューウエイト貫入試験とボーリング試験がある

 

地盤調査の中でも一般的に実施されることが多いのが以下の2種類です。

 

  • スクリューウエイト貫入試験(旧 スウェーデン式 サウンディング試験)
  • ボーリング試験

 

上記に加え、その他の方法について解説していきます。

スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)

スウェーデン式サウンディング試験(以下、SWS試験)は、住宅向けの一般的な地盤調査の試験方法で、スウェーデンで発明された方法です。SWS試験では、ロッドと呼ばれる鉄の棒を地中に回転させながら貫入させて調査を行います。戸建て住宅では、四隅+中央部の5箇所を調査するのが一般的です。

 

ほかの調査方法と比べて安価である一方、調査対象の規模が大きいと正確性が担保できないというデメリットがあります。

ボーリング試験

ボーリング試験とは、ボーリング機械で地面に穴を堀り、ハンマーを落下させることで地盤の強度を測る調査方法です。規模の大きい建物や、マンションの地盤調査で使われるのが一般的です。

地質の状態を含めて調べることができ、データの正確性が高い点が特徴ですが、SWS試験よりも費用がかかります。

その他

SWS試験、ボーリング試験の他に地盤調査には様々な工法があります。一部を表にして紹介します。

 

調査名

概要

メリット

デメリット

平板載荷試験

地盤に荷重をかけ、沈下量から支持力(地盤が支えられる力)を測る

支持力を判定できる

調査範囲が狭い

ハンドオーガーボーリング

掘削器具(オーガー)を人の力で地面の中に入れ、土をサンプリング調査する

機械を使う調査方法に比べ、簡便に調査ができる

人力で掘削器具を地面に入れるため、調査能力には限度がある

レイリー波探査(表面波調査)

レイリー波(表面波)の速度を測り、地盤構成および地盤の強度を推定する

地中を破壊せずに地盤調査ができる

データ解析をするには技術・知識が求められる

地盤調査の費用感

Point 地盤調査の費用とは別に地盤改良費が必要な場合がある

 

一般的な調査方法であるスウェーデン式サウンディング試験とボーリング試験の参考費用は以下の通りです

 

  • スウェーデン式サウンディング試験:5万円程度
  • ボーリング試験:25万円~30万円程度

 

地盤調査の結果、地盤改良をしなければならなくなった場合には、別途費用が発生します。ただし、地盤改良費は敷地面積によっても上下するため、費用は少し多めに見積もっておいた方が良いでしょう。

地盤改良の方法

Point 地盤改良の方法には、表層改良工法、柱状改良工法、鋼管杭工法の3種類がある

 

地盤調査の結果によっては地盤改良工事が必要になります。3種類の地盤調査について解説します。

 

  • 表層改良工法
  • 柱状改良工法
  • 鋼管杭工法

 

表層改良工法

表層改良工法とは、2mほど土を掘り、セメント系の固化剤と土を混ぜて、地盤を強化する工法です。軟弱な層が浅い場合(2m程度まで)に用いられます。

表層改良工法は狭小地でも対応でき、費用が安い点が特徴です。

 

柱状改良工法

柱状改良工法とは、軟弱な地盤が2m~8m程度のケースに用いられる工法で、地面にコンクリートの柱を打ち込む工法です。柱は地面に穴を掘り、セメントを流し込んで造ります。

 

支持層(建物を支えられる程、強固な地盤)がなくても施工できるケースがある一方、柱が残ってしまうため、土地価格が下がるケースがあります。

鋼管杭工法

鋼管杭工法とは、鋼を地中に打ち込む工法です。地中30mほどまで施工が可能なので、軟弱な地盤が深い場合にも使われます。また、費用は柱状改良工法とほぼ同じです。

 

メリットとして、工事が短期間で済むことや狭小地でも対応できることなどが挙げられます。一方、施工時の騒音・振動が大きいため、近所への配慮も必要になります。

まとめ

土地が家を安全に支えることができるか、地盤の強度を測るのが地盤調査です。地盤調査は法律で義務づけられているため、家を建てたり、建て替えるときには必ず行わなくてはなりません。

 

地盤調査後にまとめられる調査結果(地番調査報告書)の内容は極めて専門的です。そのため、専門家への相談は必須と考えましょう。また、地盤調査は住宅メーカーが受け持ってくれるケースもあるため、併せて相談してみてください。

 

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