制震構造のデメリットとは?後悔しない判断基準を解説
「地震に強い家を建てたいけど、話題の制震構造は本当に必要なんだろうか?」「高い費用をかけて後悔しないかな?」と悩んでいませんか。安心できる家づくりのためには、メリットだけではなく制震構造のデメリットも正しく理解しておくことが欠かせません。
この記事では、制震構造が「意味ない」といわれる理由から具体的なデメリット、そしてご自身の家に必要かを見極める判断基準までを丁寧に解説します。後悔しない選択のために、ぜひご一読ください。
目次
制震構造について

地震への備えを考えるとき「制震構造」という言葉を耳にする機会は多いのではないでしょうか。これは、地震の揺れを吸収し、建物の損傷を軽減するための大切な技術です。制震構造の基本的な仕組みや、その心臓部ともいえる「ダンパー」にはどんな種類があるのかを知ることは、後悔しない家づくりの第一歩といえます。まずは、制震構造の基礎知識をきちんと押さえていきましょう。
制震構造とは
制震構造とは、建物に「ダンパー」とよばれる装置を設置し、地震の揺れのエネルギーを吸収する仕組みのことです。ダンパーが地震の力を熱エネルギーなどに変えて放出することで、建物自体の変形や損傷を抑える効果が期待できます。
この仕組みによって、一度だけではなく繰り返しくる地震に対しても強い性能を発揮できるのが大きな魅力です。その有効性から、木造戸建てはもちろん、大規模な高層ビルまで、建物の大小を問わず幅広く採用されている信頼性の高い技術になります。
制震ダンパーの主な種類
制震ダンパーには、主に「オイルダンパー」「ゴムダンパー」「鋼材ダンパー」の3つの種類があり、それぞれに違う特徴があります。
オイルダンパーは油圧の力をいかして揺れを吸収するタイプで、小さな揺れから大きな揺れまで幅広く対応できるのが魅力です。ゴムダンパーは、特殊なゴムが伸び縮みする力を利用して揺れを吸収し、比較的コストを抑えやすいという特徴を持っています。鋼材ダンパーは、地震の力で鋼材が変形することでエネルギーを吸収するシンプルな仕組みで、メンテナンスの手間が少ないといわれています。
制震ダンパーは意味ないといわれる理由

「制震ダンパーは本当に意味があるのだろうか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。たしかに、ただ設置するだけでは期待した効果が得られないケースもあります。これらの理由をきちんと理解することが、制震構造を正しく評価する上で欠かせません。
耐震等級を確保した上での付加価値である
制震は、建物の倒壊を防ぐ「耐震」の性能があって初めていきる技術です。そもそも制震の役割は、建物の骨組みが持つ耐震性能を補い、損傷を軽くすることにあります。
そのため、土台となる耐震性能が不十分な家に制震ダンパーを設置しても、本来の効果を発揮することはできません。あくまで、高い耐震性能と制震技術が組み合わさることで相乗効果が生まれ、より安心な住まいが実現します。制震単体で地震対策がすべて終わるわけではない、という点は覚えておく必要があります。
建物の構造や地盤との相性が影響する
制震ダンパーの効果は、建物の構造や建っている場所の地盤との相性に大きく影響されます。木造や鉄骨造、あるいは建物の重心バランスなど、その家の特徴によって適したダンパーの種類や設置する場所は違ってきます。
また、地盤が弱い土地の場合、地震の揺れが大きくなり、制震ダンパーの効果が十分に発揮されないケースも考えなくてはなりません。家の性能を最大限にいかすためには、専門家による精密な構造計算に基づいた設計がとても重要になります。
製品選びと施工の質が性能を左右する
どんなに優れた仕組みでも、製品そのものの品質や施工の質が低ければ意味がありません。たとえば、安価すぎる製品や、あまり実績のないメーカーの製品は、性能が不十分である可能性も考える必要があります。
また、制震装置の性能を100%引き出すには、メーカーの規定に沿ったミリ単位での正確な施工が欠かせません。だからこそ、後悔しないためには、制震構造に関する知識と施工実績が豊富な住宅メーカーに依頼することが、安心して家づくりを進めるためのカギといえるでしょう。
耐震構造や免震構造との違い

地震対策の構造には、制震のほかに「耐震」と「免震」があります。これら3つは似ているように見えますが、地震の揺れに対する考え方だけではなく、地盤条件との関係や、建てた後の維持管理の考え方、想定する揺れの規模や目的などに違いがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを正しく知ることで、ご自身の家づくりや住む環境に本当に合った構造を判断するためのヒントが見えてくるでしょう。
揺れへのアプローチ
3つの構造は、地震の揺れにどう向き合うかというアプローチが根本的に違います。まず「耐震」は、柱や壁を頑丈にして、建物自体の強度で揺れに耐える考え方です。建物は地震の揺れと一緒に揺れることになります。
一方「免震」は、建物と地盤の間に特殊な装置を入れ、揺れが直接建物に伝わらないようにする技術です。そして「制震」は、建物内部に設置したダンパーで揺れのエネルギーを吸収し、建物の変形を抑えます。制震は耐震構造と組み合わせるのが基本で、それぞれの良さをいかす考え方です。
初期費用
家を建てる際の初期費用は、どの構造を選ぶかで大きく変わってきます。建築基準法では、建物が一定の耐震性能を満たすことが義務付けられており、その性能を確保するために構造計算や壁量計算などが行われます。
ここでいう「耐震」は、法律上求められる最低限の安全基準を指すものであり、特定の構造方式や工法を指定しているわけではありません。そのため、制震や免震のような追加装置を用いない分、3つの構造の中では初期費用を比較的抑えやすい傾向があります。
次に「制震」は、耐震構造の費用に加えて、ダンパーの設置費用として数十万円から数百万円が上乗せされるのが一般的です。「免震」は建物と地盤の間に大掛かりな免震装置を設置するため、工事の規模も大きく、500万円以上の費用がかかることも少なくありません。この費用の違いは、家づくりの資金計画を立てる上で重要な判断材料になります。
メンテナンスの必要性と頻度
建てた後の維持管理も、構造によって違いがあります。耐震構造であっても、建築基準法第8条により、建物の所有者には建物を常に法律に合った状態に保つ義務があります。ただし、耐震構造は制震や免震のような専用装置を用いないため、通常は定期的な装置点検や部品交換といった大きなメンテナンスを要しないケースが多いのが特徴です。
一方で、経年劣化や地震による損傷、雨漏りやシロアリ被害などが確認された場合には、耐震性能を保つために適切な補修や点検が必要になる点は理解しておく必要があります。「制震」は、ダンパーの種類によっては定期的な点検が必要なものもありますが、最近ではメンテナンスが不要な製品も多く出ています。
注意が必要なのは「免震」です。免震建物は、建物の安全性を保つために、設計時に定められた維持管理計画に沿って点検を行うことが求められます。建築基準法第8条では、建物の所有者に対し、免震層を含め建物を常に適法な状態に維持する義務が定められています。
また、建物の用途・規模によっては、建築基準法第12条に基づき、有資格者による定期調査・検査が必要になる場合があります。点検周期や費用は建物ごとに異なり、一律に「10〜15年ごと」「数十万〜100万円」などとは定められていません。
設置できる建物の条件
どの家でも自由に3つの構造を選べるわけではなく、それぞれ設置できる条件が違います。「耐震」はほとんどの建物に適用でき、地盤や敷地の広さといった制約を受けにくいのが魅力です。
「制震」も木造から鉄骨造まで幅広い建物に対応できますが、ダンパーを壁の中に設置するため、設計上ある程度の壁の量が必要になります。一方で「免震」構造は、地盤条件の影響を受けやすい点が特徴です。
軟弱地盤や液状化の恐れがある場合には、地盤改良や基礎設計の工夫といった追加対策が必要になることがあります。ただし、強固な地盤でなければ設置できないというわけではありません。敷地条件や建物の規模、設計内容を踏まえて、専門家が総合的に可否を判断します。そのため、地盤が弱い土地や、敷地が狭い場所、傾斜地などには設置が難しいケースが多くあります。
制震構造の5つのデメリット

制震構造は地震に強い家づくりにつながりますが、導入を決める前におさえておきたいデメリットも存在します。たとえば、初期費用がかかることや、将来のメンテナンスの可能性、さらには間取りに影響が出る場合があることなどです。ここでは、制震構造が持つ5つの具体的なデメリットについて、ひとつひとつ丁寧に解説していきます。
導入コストが高額になる
制震構造を採用する場合、耐震構造のみの戸建てに比べて、追加で費用が発生します。具体的には、ダンパーの購入費や設置工事費として、数十万円から数百万円程度が必要になるのが一般的です。
この金額は、家の大きさや建物の構造、そしてどの種類のダンパーを何本設置するかによって大きく変わります。もちろん、この費用は住宅ローンに含めて計画することができますが、家づくり全体の予算計画に影響を与える点については、あらかじめきちんと考えておく必要があります。
定期的なメンテナンスが必要になる場合がある
制震ダンパーのなかには、将来的にメンテナンスが必要になる製品もあります。たとえば、オイルを使ったダンパーの場合、オイルが漏れていないかなどの定期的な点検が求められることがあります。
また、メーカーが定める製品保証の期間が過ぎた後に、部品の交換や修理が必要になると、その都度費用がかかることもあるでしょう。最近はメンテナンスが不要な製品も多いですが、どのような場合に保証が適用されるのかなど、契約前に保証内容をきちんと確認しておくことが欠かせません。
ダンパーの種類を選ぶ専門知識が求められる
制震ダンパーには、オイル、ゴム、鋼材といったさまざまな種類があり、それぞれ揺れを吸収する仕組みや得意な揺れの大きさが違います。そのため、ご自身の家の構造や予算に本当に合った製品を選ぶには、建築士や住宅メーカーの担当者といった専門家のアドバイスが欠かせません。
しかし、専門家に任せきりにするのではなく、施主として自分でもある程度の知識を持っておかないと、提案されたものをそのまま受け入れることになってしまう可能性もあるため注意が必要です。
建物の設計や間取りに制限が生じる場合がある
制震ダンパーは、その多くが壁の中に設置されます。そのため、ダンパーを設置する場所には、当然ながら壁が必要になります。このことが、間取りを考える上での制約になるケースがあります。
たとえば、壁の量や配置がダンパーの設置によって決められてしまい、希望していた大きな窓のある開放的なリビングの実現が難しくなる、といったことが起こりえます。理想の間取りをかなえるためにも、設計のできるだけ早い段階で制震構造の導入を伝え、計画を進めることが重要です。
小さな揺れには効果を発揮しにくい
制震構造は、地震時に建物が一定以上変形した際、その揺れのエネルギーを吸収することで、建物の損傷を軽減することを目的としています。制震装置の効果は震度の大きさそのものではなく、建物の変形量(層間変形角)や揺れの特性によって左右される点が特徴です。そのため、製品にもよりますが、多くの制震ダンパーは建物が大きく変形するほどの力が加わってから本格的に機能します。
この特性から「日常的に感じる小さな地震」や「台風による強風」といった微細な揺れを抑える効果は、限定的か、ほとんど体感できない場合があります。「制震住宅なら全く揺れない」という過度な期待をしていると、入居後に「こんなはずではなかった」と感じる原因になります。これは製品の欠陥ではなく、目的の違いによるものであることを理解しておく必要があります。
制震構造のデメリットを踏まえた判断基準

ここまで見てきたデメリットを理解した上で「では、自分の家には制震構造が必要なのだろうか?」と考えることが大切です。その答えを出すためには、客観的な判断基準を持つことが役立ちます。ここでは、制震構造を導入すべきか見極めるための3つの具体的な基準を紹介します。
住む地域の地震リスクを確認する
まず、家を建てる場所の地震リスクをきちんと把握することが判断の第一歩になります。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などを利用すれば、自宅周辺の地盤の揺れやすさや、液状化のリスクなどを自分で調べることが可能です。
もし、これらのリスクが高いと評価されている地域に住むのであれば、制震構造を導入する価値は高いと判断できるでしょう。あわせて、政府が公表している地震の発生確率に関するデータなども参考にすると、より客観的で正確な判断がしやすくなります。
建てる家の構造や高さを考える
次に、これから建てる家の構造や高さも重要な判断材料になります。一般的に、木造の3階建てや鉄骨造の戸建ては、地震の際に揺れが大きくなりやすい傾向があるため、制震構造を検討する価値は高いといえます。
また、吹き抜けを設けたり、壁の少ない広々としたリビングを希望したりするなど、開放的な間取りにしたい場合も、構造を補強する意味で制震は有効な選択肢です。反対に、重心が低く安定している平屋や、壁が多くて頑丈な間取りの家であれば、耐震性能だけで十分なケースも考えられます。
予算と将来のメンテナンス計画を具体化する
最後は、お金の計画を具体的に立てることです。制震構造を導入するための初期費用として、上限でいくらまでなら出せるのかを明確にしておきましょう。
その上で、住宅メーカーの担当者に、もし導入した場合に将来想定されるメンテナンスの内容や費用、その周期などを詳しく確認することが大切です。目先の導入コストだけに目を向けるのではなく、住み始めてからかかる費用も含めた長期的な視点で「本当に自分の家にとって費用対効果が見合うのか」を冷静に判断することが後悔しないカギになります。
まとめ|デメリットを理解して後悔しない家づくりを進める

制震構造は、大切な家を地震から守るための有効な技術ですが、デメリットもあわせ持つことをお伝えしてきました。導入コストや将来のメンテナンス、間取りへの影響などをきちんと理解し、住む地域の地震リスクや建物の特徴、そして予算といった判断基準と照らし合わせることが、後悔しない家づくりにつながります。専門家の意見も聞きながら、さまざまな面から情報を集め、ご自身の家族にとって最適な選択を目指しましょう。
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