外断熱と内断熱とは？メリット・デメリット、気になるコストを解説

住み心地を左右するのが「家の断熱性能」です。家における断熱性能とは熱を伝わりにくくすることで、暑い夏でも寒い冬でも過ごしやすい温度に保つ性能を指します。

今回は断熱性能を高める断熱の工法の外断熱と内断熱についてメリット・デメリットやコストについて解説していきます。最後に両者のメリットを併せ持つ付加断熱についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

外断熱と内断熱とは

Point 違いは断熱材の入れる位置

外断熱と内断熱の違いは以下のとおりです。

• 外断熱：建物の柱と壁の間に断熱材を入れる工法
• 内断熱：柱の内部に断熱材を入れる工法

つまり、両者の構造的な違いは「断熱材の入れる位置」になります。外断熱は柱の外に断熱材を入れて外気の侵入を防ぎますが、内断熱は柱そのもので外気を防ぎます。外断熱は、家全体を断熱材で覆うイメージと覚えておきましょう。

なお、日本の住宅は内断熱が多いですが、環境への意識が強いドイツや北欧といった国々では外断熱の住宅が多数派です。

外断熱のメリット・デメリット

Point 気密性が高く結露・カビが発生しにくいが、余裕のある敷地が必要

内断熱と比べた際の外断熱のメリット・デメリットを確認しましょう。

外断熱の大きなメリットが「高い気密性」です。外断熱は家全体を断熱材で包むため、気密性が高く、室内気温を一定に保ちやすくなります。またこの気密性の高さから、「結露やカビが発生しにくい」「冷暖房費を抑えられる」といったメリットにつながります。結露が発生しにくいので、カビやサビによる腐敗を抑えることができ、家が長持ちします。

一方、内断熱と比べて「コストが高い」というデメリットもあります。また壁が厚くなるために、「敷地や間取りに余裕が必要」なため、狭小地やデザイン性の高い家を建てたい方にとっては、外断熱は相性があまり良くありません。そのほか、気密性が高いがゆえに「定期的な換気が必要」な点もデメリットです。

内断熱のメリット・デメリット

Point コストやデザイン性に優れるが、気密性が低く結露が発生しやすい

続いて、外断熱と比べた際の内断熱のメリット・デメリットを確認しましょう。

内断熱のメリットは「コストが安い」ほか、「デザイン性を重視できる」こと。デザイン性については外断熱と異なり外壁が厚くなることがないため、例え狭小地であってもデザイン性の高い家を建てることができます。また、内断熱は日本においては歴史のある工法のため、「技術面においても安心感がある」点はメリットに感じるでしょう。

一方、内断熱は「気密性が低い」ため、外の空気が家に入りやすく「結露が発生しやすい」というデメリットも生じます。加えて、「配線や配管の位置を交換しにくい」ため、断熱工事をする際にはしっかり位置を考えておくことが重要です。

外断熱と内断熱のコスト

Point 内断熱の方が安いケースが多いが、素材により異なる

一般的に外断熱より内断熱のほうがコストは安くなります。価格は断熱材の素材やメーカーなどによって異なりますが、よく使われる断熱材の中では、内断熱では「グラスウール」や「ロックウール」が、外断熱では「ポリスチレンフォーム」が安い傾向にあります。

ただし、断熱材の素材によっては内断熱の方が高いケースもあります。加えて、冷暖房費や空調設備の修理など、トータルコストで考えると外断熱の方が結果的に安くなるケースもあるでしょう。コストと家の住み心地を天秤にかけた上で、外断熱にするか内断熱にするかを決めることが重要です。

外断熱と内断熱は併用できる？付加断熱について

Point 外断熱と内断熱の良いとこ取りの工法が「付加断熱」

外断熱と内断熱にはメリット・デメリットがありますが、これらに対して両者の良いところを併せ持つ工法があります。その工法は「付加断熱」です。

• 付加断熱：外断熱と内断熱を併用した工法。「ダブル断熱」とも呼ばれる

付加断熱は外断熱と内断熱を併用した工法です。両工法のメリットを備えているため、気密性・断熱性能が格段に向上します。

一方、付加断熱を行うには高い施工技術が求められるため、技術力の高いメーカーを選ぶことが重要です。

まとめ

外断熱は柱と壁の間に断熱材を入れる工法で、建物を断熱材で覆うようなイメージです。一方、内断熱は柱の内部に断熱材を入れる工法で、柱自体が外気の侵入を防いでくれます。また外断熱と内断熱、両者のメリットを活かした「付加断熱」という工法もあります。

コストや建てたい家、敷地面積などさまざまな観点からベストな工法を選ぶことが重要です。

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