小さい家をおしゃれに!後悔しないための間取り・デザインのコツを紹介!

広くて立派な家だけがおしゃれな家とは限りません。最近ではあえてコンパクトにした「小さい家」に注目が集まっています。限られた空間を工夫することで、広さに頼ることなく、おしゃれに暮らす方が増えています。「広い家じゃないと快適に暮らせないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、ポイントを押さえれば小さい家でもおしゃれで快適な暮らしは十分にできます。
この記事では、なぜ小さい家の人気が高まっているのか、小さい家をおしゃれに見せる間取り・デザインのコツを紹介します。収納や採光など小さな家ならではの注意点も解説しますので、注文住宅で理想のマイホームを検討している方はぜひ参考にしてください。
なぜ今「小さい家」がおしゃれで人気なのか?
小さい家をあえて選ぶ方が増えています。それはただ単に敷地や予算の問題だけではなく、現代の価値観や暮らし方の変化が関係しているためです。ミニマリズムの広がりやSDGs(持続可能な開発目標)への意識、都市部の土地事情、家族構成の多様化など、さまざまな要因が小さい家の人気につながっています。ここでは、その代表的な理由を3つの視点から詳しく見ていきましょう。
ミニマリズムとSDGsの動き
最近「ミニマリズム」が広く知られるようになりました。ミニマリズムというのは身の回りの物を減らして、必要最低限のものでシンプルに暮らすライフスタイルのことです。部屋いっぱいに物を置くのではなく、本当に大切な物だけに囲まれた暮らしを望む方が増えました。
そうしたミニマリストになりたい方々にとって、小さい家は理想的な住まいです。余分な広さがないぶん掃除や維持管理も楽で、こだわりぬいて選んだお気に入りの家具や雑貨だけに囲まれたおしゃれな空間を作りやすいというメリットがあります。
また、地球環境への意識が高まる中、SDGsと呼ばれる国連の持続可能な開発目標に賛同して、できるだけ環境に負荷をかけない暮らしを心がける方も増えています。小さい家は建築資材も少なくすみ、冷暖房などのエネルギー消費も抑えられるため、エコな住まいといえるでしょう。
都会の需要が高く、土地の値段が高くなっている
都市部でマイホームを建てたいと考える方にとって、大きな課題となるのが土地の問題です。都市部の土地は年々値段が高くなっており、広い土地を購入するのは簡単ではありません。その結果、広さよりも立地を重視し、あえてコンパクトな家を選ぶケースも増えています。
実際、狭くて小さな土地に家を建てることを得意とする住宅メーカーや設計事務所も最近は増えてきており、限られた敷地を最大限に活用する設計手法が進化しています。職場へのアクセスや生活の利便性を優先しながら、狭い土地でも自分の家を持ちたいというニーズを満たせるようになりました。
また、建物の延床面積が小さければ建築費用も抑えられるため、予算面でもメリットがあります。さらに、注文住宅なら敷地の形状や周囲環境に合わせて自由にプランニングできるため、小さな土地でも無駄なく空間を確保できます。こうした理由から、都市部を中心に小さい家の人気が高まっているといえるでしょう。
多様化する家族構成とライフスタイル
家庭のあり方やライフスタイルも多様化しています。かつては大家族で広い家に住むのが一般的でしたが、現在は夫婦二人や一人暮らしといった少人数世帯も増えています。子供を持たない夫婦や単身者にとって、大きな家は必ずしも必要ではありません。
掃除やメンテナンスの手間を考え、あえて自分に合った小さい家を選ぶ方もいます。また、趣味や働き方の変化によって住まいに求めるものも変わってきました。アウトドアや旅行など家の外で過ごす時間が長い方なら、日常の生活拠点である家はコンパクトでも問題ありません。
それ以上に、限られた空間でも自分たちのライフスタイルにフィットしたおしゃれな空間にこだわりたいと考える方が増えています。家族構成や価値観の変化に伴い、「小さい家でも自分たちらしいおしゃれな暮らしをしたい」と考える方が増え、小さい家という選択肢が自然に受け入れられるようになってきています。
小さい家をおしゃれに見せる間取りとデザインのコツ
小さい家でも工夫することで広くおしゃれに見せることができます。ここからは、間取りやインテリアの観点で、小さな家を素敵に演出するための具体的なコツを紹介します。家づくりの際に取り入れたいポイントを具体的に見ていきましょう。
視覚効果で広さを演出する
狭い空間でも視覚の錯覚を利用して実際より広く感じさせることができます。まず、色の使い方を工夫しましょう。壁や天井だけではなく床も白やアイボリーなどの明るい色でまとめると、光を反射して空間が広く見え、軽やかな印象になります。逆に濃い色は圧迫感を生むため避けた方がいいでしょう。
次に、鏡を活用する方法も広く見せるのに有効です。大きな姿見やミラーを壁に掛ければ、視界が奥まで広がり、空間に奥行きが生まれます。また、インテリア配置では背の高い家具は極力置かず、視線を遮らないようにすることがポイントです。どうしても置きたい場合は扉を開けた時に見えない壁側に配置するといいでしょう。
デッドスペースを有効活用する
小さい家では、一見使い道がなさそうな「デッドスペース」を賢く活用することが重要です。デッドスペースとは、階段下や天井近く、部屋の隅などの有効活用がしにくい空間のことです。こうしたスペースも工夫次第で収納に使えたり、小さな作業コーナーとして活かせたりします。
代表的なのが階段下の活用です。階段下に収納庫を設ければ、日用品をたっぷり収納できます。工夫すれば階段下をデスクスペースとして小さな書斎コーナーにすることもできるでしょう。また、廊下や部屋のコーナーに造り付けの棚を設ければ、本や雑貨をディスプレイできるおしゃれなスペースになります。
さらに、天井付近にオープン棚を作って普段使わない物をしまったり、キッチンや脱衣所に床下収納を設置して食品や日用品のストックを保管したりと、工夫次第で収納スペースを増やすことができます。
コンパクトな家具でおしゃれ度を上げる
小さい家では、置く家具も空間に見合ったコンパクトなものを選ぶことが大切です。大きすぎるソファやダイニングテーブルを置いてしまうと、それだけで部屋が狭く窮屈に感じられます。
二人掛けのコンパクトソファや円形の小ぶりなダイニングテーブルなど、部屋のサイズに合う家具を選びましょう。最近は、省スペース向けのおしゃれな家具も多く販売されており、コンパクトでもデザイン性の高いインテリアがたくさんあります。
縦の空間を最大限に活かす
小さい家では、限られた床面積を補うために「縦の空間」を活用することがポイントです。天井をできるだけ高く取れば、同じ床面積でも格段に広く感じられます。一般的な天井高は約2.4メートルですが、2.7メートル程度まで高くするだけでも開放感が生まれます。
また、吹き抜けを取り入れるのも効果的です。リビングの一部を吹き抜けにすれば視線が上に抜けるので、空間に広がりが出ます。高い位置に窓を設置すれば、上から自然光が降り注ぎ、明るさを確保することもできるでしょう。
さらに、ロフトを取り入れて縦方向にスペースを増やす工夫もおすすめです。天井近くにロフトを設ければ、収納や就寝スペースとして活用できます。子供部屋にロフトベッドを置けば、下の空間を勉強机や遊び場に使えて一石二鳥です。縦の空間を最大限に活かすことで、コンパクトな家でも「空間に余裕がある」広々とした印象を与えることができるでしょう。
抜け感のあるインテリアで開放的にする
インテリアの「抜け感」とは、視界が遮られず空間にゆとりがある印象のことです。小さい家では、この抜け感を意識して室内をできるだけシンプルに保ち、物を置き過ぎないようにすると圧迫感を減らせます。
家具も、背板のないオープンシェルフやガラス天板のテーブルなど視線が通り抜けるデザインを選ぶと効果的です。また、ソファやベッドは脚付きのタイプにすると床に空間が生まれ、部屋が軽やかな印象になります。
窓周りの工夫も抜け感につながります。大きな窓やテラス戸を設けて視線が屋外まで伸びるようにすると、空間に奥行きが生まれるでしょう。昼間はレースカーテンなどで光を採り入れながらプライバシーを守れば、カーテンを閉め切っていても圧迫感を感じることはありません。
素材と色で統一感を出す
素材や色を統一すると、ごちゃごちゃせず狭い空間に広がりが生まれます。部屋ごとにテイストを変えず、家全体で統一された色合いや素材感を意識しましょう。例えば、床材を全て同じにすれば、家全体がひとつながりに感じられます。壁紙やカーテン、家具も似た色合いでまとめれば、ちぐはぐな印象を与えません。
色の数は増やしすぎず、基本は2〜3色程度に抑えるのがおすすめです。素材も統一することで空間がすっきり見えます。木目調でまとめるなら家具や建具まで木の風合いで揃える、アイアン素材をアクセントにするなら照明やテーブルの脚にも共通して取り入れる、という具合にルールを決めると良いでしょう。
照明で空間をデザインする
照明の工夫次第で、狭い空間もぐっと雰囲気が良くなり、広さ以上の開放感を演出できます。狭い部屋だと天井の照明一つで済ませがちですが、それだけでは光にムラができて圧迫感を招くことがあります。
おすすめは、複数の照明を組み合わせて空間を明るくする方法です。天井のシーリングライトなど全体を照らす照明に加え、コーナーにフロアランプを置いたり、カウンターにペンダントライトを吊るすなどして、部屋の隅々まで光が行き渡るようにしましょう。
光源が一箇所だけではなく複数あると影ができにくくなり、実際より奥行きのある空間に感じられます。壁や天井を照らす間接照明を取り入れることで、おしゃれな雰囲気になります。
観葉植物で癒しの空間を演出する
部屋に植物があると、それだけで心が和み、癒しの空間になります。小さい家でも観葉植物を上手に取り入れてみましょう。植物の緑色には目に優しくリラックス効果があるといわれています。
コンクリートや金属など人工物が中心になりがちな室内に生きた自然の要素を加えることで、狭い空間にも潤いが生まれます。大きな鉢植えを置くスペースがなくても、工夫次第でグリーンを楽しめるでしょう。
例えば、背が高くスリムな観葉植物なら床面積を取らずに存在感を出せます。部屋のコーナーに背の高い観葉植物を置けば、天井までの縦ラインが強調されて空間を広く感じさせる効果も期待できます。
テレワークスペースを確保する
テレワークの普及に伴い、自宅で仕事がしやすい環境も求められています。小さい家でも、リビングの一角や階段下にカウンターを設置するなどの工夫で、十分テレワークスペースを確保できます。
造り付けのデスクや棚を最初から組み込んでおけば、省スペースでも機能的なテレワークスペースの完成です。必要に応じてロールスクリーンや引き戸で仕切れるようにしておけば、在宅勤務中も集中しやすく、家族と生活時間が重なってもお互い気兼ねなく過ごせるでしょう。
趣味を楽しむ空間を作る
家が狭いと「趣味を楽しむスペースなんて確保できないのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、小さい家でも工夫次第で趣味を満喫できる空間を作ることは十分に可能です。
例えば、本が好きな方は階段下の空間に本棚を造り付けて、読書コーナーを設けてはいかがでしょうか。お気に入りの椅子とスタンドライトを置けば、小さくても居心地の良い読書スペースになります。
音楽が趣味なら、防音仕様のユーティリティスペースやウォークインクローゼットを活用して楽器を演奏できる空間を確保するアイデアもあります。
重要なのは、家の広さに合わせて趣味の楽しみ方を工夫することです。大きな部屋がなくても、ニッチな隙間や屋外空間を活用すれば、自分らしい趣味の時間を過ごせる場所を作り出せます。
小さい家で後悔しないための間取りづくりの注意点
小さい家を建てる際には、設計や暮らし方において注意しておきたいポイントもあります。限られた空間ゆえに「もっとこうしておけばよかった」と後悔しないために、事前に対策を考えておきましょう。ここでは、特に重要な注意すべきポイントを解説します。
収納不足を解消する
小さい家でよくある後悔の一つが「収納が足りなかった」というものです。限られたスペースだからと収納を最小限にしてしまうと、住み始めてから物が収まりきらず困ってしまうケースもあります。
家族の持ち物や生活スタイルを考慮して、十分に必要な収納を間取りに確保することが大切です。ポイントは、デッドスペースや壁面を最大限に活用して収納量を確保することです。
例えば、各部屋にクローゼットを設けるのはもちろん、廊下の一部を収納スペースにしたり、階段下を収納庫にしたりといった工夫をしてみましょう。パントリーや土間収納も、狭小住宅ほど重宝します。
採光不足をカバーする
狭小住宅では隣家が近く、室内が暗くなりがちなケースがあります。明るさが足りないと暮らしの快適性に影響するため、小さい家でも採光を確保する工夫が必要です。まず、間取りの段階でできるだけ採光を確保しましょう。日当たりの良い方角にリビングなど主要な居室を配置し、大きめの窓を設けることであとから採光が足りなかったと後悔することを防げます。
隣家からの視線が気になる場合は、高窓やすりガラス窓、天窓を活用すれば、光だけ取り入れてプライバシーも守れます。特に屋根に設置する天窓からは一日中安定した明るさの光が得られるため、北側や建物中央部の部屋でも採光を補えます。
また、家の中で光を共有する工夫も採用しましょう。間仕切りを透け感のない扉ではなくガラス扉にしたり、室内窓を設けたりすると、光が各部屋に届くでしょう。吹き抜けがある場合は、上階の窓から取り込んだ光が下階まで届くため、家全体を明るくできます。
プライバシーを確保する
都市部の狭い敷地では、窓を開けるとすぐお隣さんということも珍しくありません。小さい家では採光や開放感を得るために窓を大きくしたり間取りをオープンにしたりしがちですが、その分プライバシーの確保に工夫が必要です。
外部に対しては、窓の位置や形状に気を付けましょう。道路や隣家に面する窓には、目隠し効果のあるすりガラス窓にしたり、カーテン、ブラインドを活用します。昼はレースカーテンで光を採り入れつつ視線をカットし、夜は厚手のカーテンで外から見えないようにするなど、時間帯に応じて使い分けることが大切です。最近では採光レースカーテンといった光だけを通すカーテンもあるので、取り入れてみるのもいいでしょう。
また、塀やフェンス、植栽によって屋外からの視線を遮る環境づくりも有効です。例えば、リビングの前に高さのある生垣を設ければ、カーテンを開けていても道路から室内は見えにくくなります。
開放感も大事ですが、プライバシーとのバランスを取ることが重要です。採光や通風を確保しつつ、見られたくない部分はしっかり隠す工夫を凝らして、小さい家でも快適で安心して暮らせる住まいにしましょう。
まとめ|小さい家でも賢い工夫でおしゃれな住まいを実現しよう
小さい家でも、工夫次第で理想のおしゃれな住まいを実現できます。間取りやインテリアのポイントを押さえて、広さを感じさせるアイデアや快適に暮らす工夫を取り入れれば、コンパクトな家とは思えないほど充実した空間になるでしょう。
収納や採光、プライバシーといった注意点にも気を付けることで、狭さによるデメリットを最小限にできます。限られた空間を最大限に活用して、自分たちらしい暮らしを楽しみましょう。
また、ウチつくでは家づくりを考え中のお客様に向けて無料のオンライン相談を実施しています。家を建てる際の様々な疑問や不安はウチつくの「オンライン相談サービス」なら気軽に質問・相談OKです。住宅メーカー選びから、限られた空間を最大限に活かす間取りの相談まで、専門アドバイザーが親身にお答えします。
RANKING
ランキング
PICK UP
おすすめ記事